2024/05/29 Wed
活動
モロッコ医療博覧会
サラム・アレイコム(こんにちは)
モロッコから 助産師のまーみん です。
先日、アフリカ最大の医療分野会議・博覧会が任地の会場で開催されていました。
International Health Exhibition MOROCCO MEDICAL Expo 2024
国際規模で医療・製薬関係の専門家が介するイベントで、展示会場にはさまざまな国のメーカーの医療機器モデルなどが並び、各ブースで担当者の方から詳しく説明を聞きながら回ることができました。
どうしても自分に身近な周産期医療に関連するものに目が留まりがちですが、日本企業の製品を見つけたり、配属先のブースを訪れたり、心臓マッサージモデルの肌色のバラエティに納得したりと、大変興味深く時間を忘れて楽しみました。
日本でも医療現場で実際に使用している機器以外で一堂に触れる機会はなかったですし、今回誘ってくださったのが一緒に活動している技術者の方だったので、多職種の方々と出会い働けている環境に改めて感謝しています。
(まもなく歯科分野のイベントも開催されるらしい!)
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医療キャラバン月間
5月22日〜6月22日まで医療キャラバン月間で、郊外への移動診療の活動に多く携わっています。
そして、ついに 産婦人科診療車 が初出動しました!
これまでも子ども達の歯科・眼科診療に同行し、受付や診療の案内や待合に行われる歯磨き教室後の歯ブラシ・歯磨き粉の配布など歯科医師のアシスタント業務をさせてもらいながら詰め寄せる人々の多さに毎回驚いていたものの、3つの診療科が揃うとなると現場はより一層の光景でした。
無料診療の医療キャラバンでは、女性手帳・子ども手帳(※日本の母子健康手帳がモデル。以前の子ども手帳は男女色別だったが現在は性別関係なくデザインは統一されている)の記載はされずに診療を進めます。
産婦人科には妊婦さんだけではなく、乳がん・子宮頸がん検診の方々が多く訪れるので、助産師と医師は別の会場で診察をしていきます。
担当医は産婦人科医ではないのですが、看護師の介助がない中でもとても丁寧な配慮があり、人柄の良さのみならず普段から医療従事者が少ない状況で業務に当たっているのだと感じました。
妊婦エコーを見る際、妊娠初期には胎児の頭からお尻までの長さ、妊娠中期以降は胎児の頭の大きさ・お腹周りの長さ・太ももの骨の長さを計測することで妊娠週数や胎児推定体重を想定することがあります。
多くの日本の出産施設のようにほぼ毎回の妊婦健診でエコー診察がされているわけでもなければ、モロッコの保健センターには、妊娠前最後の生理がいつか明確に覚えていない、妊娠初期でない時期に妊婦健診自体が初めて、という方も多くいらっしゃるので、診療機器や健診機会が限られた状況にケアの限界を感じざるを得ません。(どのような疾患・感染症を背景に持つ妊婦さんかわからない、どんなに週数が浅い未成熟な赤ちゃんが生まれてくるかわからない、これは命に関わる現場で医療者にとっても大きなリスクを伴うことです)
その中でもフランス語表記のエコー機器を使用し、普段の妊婦健診以上の説明を現地語でする難しさもチームのサポートを得て、妊婦さん達にとっての貴重な機会に尽力しています。
魅惑のひととき
実はその週末、同僚宅へお祝いの招待をいただいていたのですが、どうしても医療キャラバンで初めての産婦人科の検診に参加したく、自力で帰宅する心算で 禁断のダブルブッキング を決行することにしました。
パーティーのお誘いは14時、帰宅に1時間以上かかる郊外の保健センターを出発したのは15時を過ぎていました。
(モロッコで一年半以上を過ごしたまーみんは同日に複数の予定を入れてはいけないことを知っています。一緒に切り上げる医師待ちで人生最大の2時間半遅刻…笑)
配属先では比較的時間にきっちりしている方が多く、想像していたような モロッコタイム が活動に影響したことはありませんが、ここで生活をしていると寛大になっていくなとは思います。
お宅に着いた時には、外まで盛大に音楽が聞こえてきており、女性のダンサーの方々もいらしていて、主賓とビズを交わしてすぐに モロッコサロン の中央へカウンターパートに招かれました。(駆けつけ一杯のごとく踊る…笑)
見知った美しい同僚マダムたちが 煌びやかな伝統衣装 を身に纏い、なんとも魅力的な “女性だけの空間” で、宗教上写真に納めることこそできませんが、普段は髪を覆っているヒジャブを踊りのために腰に巻き直し、楽しげで華やかな姿に心のシャッターを切り続けました。
ビスラーマ ٩( ᐛ )و
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