JICA海外協力隊の世界日記

こちらモロッコですけどなにか?٩( ᐛ )و

なぁぜなぁぜ

サラム・アレイコム(こんにちは)

モロッコから 助産師のまーみん です。

あたりまえってなんなのでしょうか。
至極当然、言う必要がないほど分かりきっていること。
常識、普通・・・。

“あたりまえ” のようにしていたことが、特別なスキルだったのではないかと感じたり、ものすごく褒められたりすることがあります。

“あたりまえ” と思い込んでしまっていたことが、どうして今それをするの?これをしないの?と不思議に思えたり、驚きが隠せなかったりすることがあります。

異国での生活では「なんで?」「どうして?」の毎日で、未就学児に質問期があるのと同じように、任期中ずっとなぜなぜ期が続きそうな気がしています。
(なぁぜなぁぜ?は大人が言うても可愛く聞こえるから無敵と信じて止みません笑)

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さぁここから始めよう

日本の産科ではすでに馴染みのある 新生児マス・スクリーニング検査 のひとつが、モロッコでも採用され始めています。
これから任地でも新しく始まるプロジェクトとして、出産施設を持ち新生児のケアに携わる病院と保健センターのスタッフに向けて、4日間にわたり研修を実施しました。

同僚からの依頼で、初めて研修準備から関わることができました。
日本の病院勤務時代に常時担っていた検査のため、解説資料に補足のページを加えたり、実技の時間のアシストを任せてもらったりすることになりました。

新人助産師の頃の技術習得を思い出しながら、実技研修をイメージして見せ方に配慮して初日に臨んだつもりだったのですが…。
現場では助産師が新生児の検査に関わることが初めてで、思っていた以上に手技が難しい様子が明らかで、弱音をこぼす参加者も出てきました。

一度ですべてをうまく行おうとするのではなく、これから各施設で実施する際にスタッフ達が前向きな気持ちになれることを重視して、ポイントを押さえて伝えるように心がけました。
その後は、実習で必ず習得してもらいたい目標を参加者と共有したことで、回を重ねる毎に研修の質が向上している感覚が味わえるようになっていきました。

This is Morrocco⁉︎

研修プログラムは、医師による検査でわかる疾患の概要の講義、カウンターパートである助産師による検査の技術手技の講義を前半に行い、ティータイム休憩を挟み、参加助産師は後半に病棟へ移動して、実際に生後入院中の新生児に検査を施す流れになっていました。

しかし、スムーズに研修が進んでいる日にこそ事件は起こるのです…。
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前半の講義が早く終わり、ティータイムから助産師達が総出で病棟に向かっていました。
業務用のエレベーターに鮨詰めに乗込み産科の入院病棟へ上がろうとしたその時です。
(なんか、嫌な予感?)

ガタンッ と音を立てて、まさか予期したことはあたりまえのように起こってしまいました。
(日本の恋愛漫画によくあるようなシチュエーション、現実にあるんや…)

私にも唯一想定内だったのは携帯電話は圏外だったことくらいでしたが、モロッコマダム達はそこでも強いです。
大笑いしたかと思うとセルフィで記念撮影をはじめ、お祝いの時にかけるコールを口ずさんで盛り上がります。
どれくらいの時間が経ったでしょうか…

エレベーター整備の方がドアをこじ開けてくれた瞬間はスローモーションのようでした。
(アル○ゲドンのテーマソングが頭に流れ、どこにでもいそうなおっちゃんが超絶イケメンに見えた)

何事もなく済まないのが、ここモロッコやなぁ とつくづく思います。
そして、あたりまえのように日本でしていたこと、例えば、安全や清潔、新生児のママへの声かけなどは、素晴らしい助産ケアであったことにも改めて気づくことができました。

何はともあれ、準備期間も含めて初めての研修はとても実り多い活動となりました!
パワフルな助産師達と共に、モロッコの周産期ケアをアップデート できるようこれからも励んでいきたいです。

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ビスラーマ ٩( ᐛ )و

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