2020/02/27 Thu
ラグビー 活動
アフリカ予選までを振り返って
またまた久しぶりの更新です。
今回はタイトル通り2019年1月から始まった7人制マダガスカル女性チームの活動を振り返りたいと思います。
代表の活動は1月から始まりましたが、いきなり驚きでした。
本来は代表セレクションというのは、ある程度人数を絞ったところから始まると思います。
マダガスカルでは、女性については誰でも代表活動に参加することができる状態でした。つまり代表候補選手は全員であって、ラグビー連盟が有力選手を召集という形ではありませんでした。
当初はラグビーの普及という意味も含め受け入れていましたが、大変な思いをすることになりました。
というのも、一定の選手へ基礎練習を指導して成果があったので、次のステップへ進もうとすると新しい選手が練習に参加。そのため基礎練習を続けなければならなくなりました・・・
コーチと話し合い2部制で練習を実施することとし、8時~10時は有力選手、10時~12時は初心者としました。
代表練習とは言え、客観的に見て代表の基準に達してない選手を指導することにもなりました。
一方で連盟所有のスタジアムは芝生工事のため使用禁止で、グランドの隅で練習していました。そのため、スペースの関係上基礎練習しかできませんでしたが、今思えば工事のおかげで基礎練習に重点が置けたと感じています。
代表練習と並行して、岐阜県郡上市とのホストタウン締結、日本遠征を計画していました。
日本遠征へのメンバー選考は大変苦労しました。普段はマダガスカル人コーチ3人と指導していますが、遠征に帯同するのは1名のみです。帯同有力候補のコーチ1名(以下Aコーチ)はメンバー選考については私の意見に常に全同意、可能性が低いコーチ2名(以下B、Cコーチ)は一部反対。Bコーチから「Aコーチは日本へ行きたいから、あなたの意見に同意している。」とAコーチがわからないように英語で言われたり、「あなたの選んでいる選手は、モチベーションはラグビーに対して0で、ただ日本へ行きたいだけだ。」と言われることもありました。正直な感想としては、海外に出ることをモチベーションにすること自体は問題はないと考えています。一方で、海外へのモチベーションだけで取り組めるような緩い練習ではなく、厳しい練習をしていると自負していたので、最終的には私の意見を押し通すことにしました。(6月日本遠征、8月短期ボランティアについては執筆済のため割愛させて頂きます。)
9月は短期ボランティア3名と共に伝えた練習を反復しました。
この時期にもいくつか衝突がありました。例えば、連盟は大会が近いから短い距離をたくさん走ろうと提案してきました。彼らの主張は理解できますが、個人的には1試合14分間を戦う体力が選手にまだないと感じ、中距離を走ることを提案しました。
一緒に指導しているマダガスカル人へ伝えると、連盟の指示は絶対。私がコーチへ説明しても「連盟は絶対だから、短距離だ。」という主張でした。日本人も上下関係については似たようなものはあると思います。一方でコーチは誰のために、何のために指導をしているか疑問に感じました。
そして10月のアフリカ大会では3位という成績を収めることができました。
約10ヶ月間、指導して感じたのはマダガスカル人が尊敬するのはラグビー分野に限ってはフランスであるということでした。あることを提案すると「フランスではこうだ。」、「こういう分析結果があるから、その通りすれば間違いない。」と言われることがありました。個人的にもラグビー強豪国であるフランス、ニュージーランドに見習うべきことは多くあると思います。一方で、マダガスカルにはフランス人と同じ体格、能力を持った選手が存在するわけではないので、真似事をしていても一定のレベルまでは行けると思いますが、それ以降は難しいと考えます。
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