ハルガダには、沢山の野良猫がいます。ゴミ箱の周りには、必ずいます。
痩せた子猫を見ると、つい目で追ってしまいます。
先日、配属先の職員ワイルさんと猫の避妊手術について議論しました。ワイルさんの飼っている猫が赤ちゃんを産んだという話から、この議論は始まりました。
ワイルさんに、「飼い猫に今後、避妊手術を受けさせる予定はあるのか?」と尋ねました。彼は雌と雄猫をペアで飼っているので、今後も猫が増えると世話が大変だと思ったからです。
彼は言いました。「猫は、赤ちゃんが欲しいかもしれないのに、避妊手術を受けさせるのは、イスラムの教えではハラームだ。猫の気持ちは、人間にはわからない。」
*ハラーム・・・イスラム教で禁止を意味する行為
私は、避妊手術によって病気が予防できたり、長生きに繋がることから、日本では飼い主がペットに避妊手術を受けさるのは、一般的になっていることを伝えました。また「赤ちゃんが生まれたら、面倒みるのは難しいでしょ?」と聞いたら、「人間だって、いつ病気になるか、いつ死ぬか、未来のことなんてわからない。神様だけが知ってることだろ?それに、もともと猫は外で生活する生き物だし、お腹が空いたら勝手に外に食べ物を探しに行くだろう。」と彼は答えました。
猫の室内飼いが基本の日本と、猫を家の中に閉じ込めず、自由にさせるエジプト人とは、猫の扱い方も変わってくるし、避妊手術に関する彼の見解は、宗教的な要素もあり面白いなあと思いました。
ワイルさんが、猫の気持ちを尊重しているのは、イスラム教徒にとって猫が神聖な存在であることに関係しているのかもしれません。また、「未来のことは神様だけが知ってる」というのも、イスラム教徒らしい考えです。
今回の件で、文化が違うだけで、一つの物事も全く違う捉え方になることを学びました。この国に、野良猫や野良犬が多い理由がなんとなくわかった気がしました。
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