JICA海外協力隊の世界日記

エジプトからアッサラーム・アレイコム

男女の事情

同僚サハルのお宅に招待して頂きました。サハルは普段、ニカーブ(目だけを出して、それ以外を黒い布で覆い隠す服装)を着用しており、黒い布の間から見えるキラキラ輝く目が印象的です。

サハルは、ザルザーラと呼ばれる地域のすぐ側に住んでいます。この地域を訪れるのは、初めてでした。周辺を案内して頂きましたが、平屋の質素な建物が立ち並び、開けっ放しの玄関から、人々の暮らしを垣間見ることができました。家の敷地内に、食用に羊、鶏、アヒルを飼っている家が多く心が和みました。都市化が進む中で失われつつある光景がこの地域にあるような気がしました。

サハルのお家で、初めて彼女の素顔を見ました。「なぜニカーブをしてるの?旦那さんに顔を隠すように言われたから?」と聞いたら、「コーランの教えに従ってるだけよ」と答えてくれました。サハルは、現在4人のお子さんがいて、お家には2人の娘さんがいました。17歳のアーヤ(写真上)は婚約中で、12歳のシャイマーは、「外人と結婚して、外の世界がみたい。」と話していました。そんなお年頃の2人とサハルから、日本の男女関係のアレコレについて質問攻めに合いました。 「結婚前に、妊娠してしまったらどうなるのか?」「結婚していない男女が、2人きりで同じ部屋に入っても許されるのか」「日本は一夫多妻制か」などなど。 イスラム教では、彼氏、彼女という存在はハラーム(禁じられている)で、婚約することから交際が始まります(結婚前提の交際)。婚約していると言っても、2人きりでの外出は認められておらず、家族が一緒でなければいけないそうです。またイスラム教徒の男性は、一夫多妻制で、4人まで奥さんを持つことが許されており、サハルの旦那さんも別に奥さんがいて、その人のところで暮らしているそうです。「悲しくないの?」と聞いたら、「初めから愛なんてないから。」と言ってました。以前、職業訓練所の女性たちにも、「旦那さんが他の女性を妻に迎えたいと言ったらどう思う?」と聞いたら、「旦那をひっぱたく。」「悲しい。」と話していたので、一夫多妻制についての考えは女性それぞれだと思いました。外では話し難い色んなアレコレが話せて、有意義な時間を過ごすことができました。

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