JICA海外協力隊の世界日記

エジプトからアッサラーム・アレイコム

人と人を繋ぐ

職業訓練所で制作された商品を販売するため、これまでハルガダ市内で開催された数々のバザーに参加してきました。そして、バザーに商品を売りにくる人たちは、同じ顔ぶれが多いことに気づきました。ほとんどのバザーが、出展料を徴収します。バザーに出展しても、売れないこともあります。儲けが出るかわからない中で、交通費や労力を使って繰り返しバザーに参加する人たちは、かなりのバザー好きか、もしくは向上心がある人たちだと思います。

バザーで出会った知り合いの中に、アクラムというルクソール出身の男性がいます。彼は、木工細工の職人です。彼が制作したオブジェ、食器、小物入れなどは、どれも手作業とは思えないほど丁寧な作りで、素朴ですが木の温かみを感じることができます。去年末のバザーで、「今は、1人で工房を経営してるけど見習いを雇って、もっと工房を大きくしていきたい。」と話していました。「今度、工房を見学においでよ。来れる時に連絡して。」と言ってくれたので、年明けに連絡したものの電話に出ず、折り返しの連絡もなし。忘れかけていたころに、連絡がきました。「ごめん、ルクソールの実家に帰ってたから連絡できなかったんだー。いつ工房を見に来てもいいよ。」とのこと。

私一人で行っても、「今後工房を大きくしたい」と言うアクラムの役には立てないので、配属先の同僚にも彼の作品や工房を見て貰い、彼の要望を聞いて貰ったった方がいいだろうと考ました。上司のアイダさんに、この話をしたところ、快くついてきてくれました。60歳のアイダさん。過去に何人かのボランティアと関わったことがあり、私の活動にもいつも協力的でよく話を聞いてくれます。フットワークも軽いです。

アクラムの作品を見て、「素晴らしいね。」と絶賛でした。彼がもっと仕事を大きくしていきたいと伝えたら、年二回の社会連帯省のバザーの他、新しく市内にオープンするアンテナショップにも商品を出展できるよう協力すると話していました。お互いに連絡先も交換していました。自分1人では、何もできないけれど、こうして、人と人を繋ぐきっかけを作ることも大事な活動なのかなと思いました

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