みんなあのねのセネガル便り(西村隊員は帰国しました。)

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西村 綾介
神奈川県

タイプ/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
アフリカ
セネガル サンルイ州サンルイ市
一言メッセージ
ボクでなきゃ!キミでなきゃ!たわむことのできるしなやかな軸をもって、子どもたちの笑顔のために力を合わせて頑張ります。

 

みんなあのね、「もしもし」

2017.01.26

その他 活動

私は、毎朝8時前に幼稚園に着くように向かう。

季節が巡り、家を出て川沿いを歩くころ、

日が昇るようになった。

だんだんと東の空が明るくなってきて、

太陽が現れる前の数分間、空が真っ赤に染まり、

川の水面も同じように真っ赤に染まる。

初めてこの景色に出会ったときは、感動して、

思わず足を止め、景色に見入ってしまった。

1年半のセネガル生活の中で、たくさんのことに慣れ、

感動したり驚いたりしていたことが当たり前になっていったが、

2年目の冬、この真っ赤に染まる朝は、

私に再び感動を与えてくれた。

私の住むサンルイでは、セネガル河に昇る朝日と、

大西洋に沈む夕日を楽しむことができる。

広い空と青い海、雄大なセネガル河。

サンルイは素敵な町だ。

折り紙は、どうしてあんなにも子どもたちの心をつかむのだろうか。

活動先の幼稚園の子どもたちも孤児院の子どもたちも、

そしてタリベたちも折り紙に夢中である。

 タリベと呼ばれる子どもたちについては、

 以前の記事をご覧ください。

  http://world-diary.jica.go.jp/nishimura/activity/post_25.php

 また、青年海外協力隊セネガル隊機関紙である

 「BAOBAB」に寄稿しましたので、

 宜しければそちらもご覧ください。

 htp://p.booklog.jp/book/110902

カブトやヒコーキなどの定番も大人気で、

鳥や犬などの口が動くものも子どもたちは大喜びだ。

折り紙名人と呼びたくなるほどの腕前を持つ子どもがいる。

バイ・アブドゥくんという10歳の男の子で、

いっしょに折ったものは、一度で覚えてしまい、

それを忘れずにいるのだ。

彼は、以前私に、

「自分のノートを切って練習している」と話してくれたことがある。

長方形のノートのページを自分で正方形に切り、折っているのである。

もともと器用な子どもだけれど、彼のやる気に感心してしまう。

そして、優しい彼は、折り紙をみんなで折るときに、

私の弟子とでもいうかのように私の隣にいて、

困っている子を見つけるとフォローにまわるのだ。

タリベの何人かはどこかで古紙を手に入れ持ってくる。

それもびりびりのやつで、

どんなにがんばって正方形を取ろうとしても取れなかったり、

正方形を取れたとしても、とても小さなものになってしまって、

子どもが折り紙をするには難しい大きさになってしまう。

でも、折り紙を折りたいと思って

道端で紙を探している子どもの姿を想像すると

かわいいなぁと思う。

「角を合わせられない」という子どももオトナもたくさんいるけれど、

折り紙を折る回数が増えていくと、

角を合わせないとキレイに仕上がらないことを実感して、

一つ一つを丁寧に折っていくようになる。

そして気が付けば、角を合わせるのは当たり前じゃないかと

自慢するような表情できれいに折った折り紙を見せてくれるようになる。

私の活動先には、たくさんの隊員たちが遊びに来てくれた。

その中の一人にセイノブというセネガル名を持つ同期隊員がいる。

私の活動先のタリベたちは彼女が遊びに来てくれた時から、

完全に心を奪われてしまった。

一人や二人でなく、たくさんのタリベたちが、なのである。

私の携帯電話をつかって、タリベたちはセイノブに電話をかけ、

「元気にしているか?」

「シゴトはどうか?」

「家族は元気か?」

と質問をし、一区切りつく頃に満足した顔で

「サンテ ヤッラー」と言う。

神に感謝という意味だ。

タリベたちは、「もしもし」と電話口で言う。

それは、「もすもす」に聞こえなくもないのだが、

彼らにとってもしもしという言葉は、

素敵なセイノブとの会話が始まる魔法の言葉で

嬉しい時に「もしもし」と言いながらステップを踏むタリベもいる。

タリベたちの多くが

義務教育である学校に通わずにコーランを学んでいる。

彼らは小さなコミュニティの中で生きている。

人との出会いも知識や経験の幅も狭いのではないかと思う。

タリベたちは遊びに来てくれる隊員のおかげでたくさんのことを感じ、

たくさんのことを考えるきっかけをもらっていると思う。

最近のタリベたちは、

寒くなってきたので体を洗う回数が減っており、

皮膚病が悪化しているタリベが増えている。

彼らのシャワーは川の水なのであるが、

地域住民は川にゴミを捨てているためきれいな水ではない。

「からだを洗って清潔に保ちましょう」と言いたいこところだが、

きれいな水を確保するのもタリベたちには難しい。

私の活動先のタリベたちが住むダーラ(寄宿舎)から

一番近い共同井戸までは子どもの足で40分ほどの距離にある。

体を洗う分の水を持ち、片道40分の距離を往復するのは、

子どもにとって大変なことである。

子どもたちに体を清潔に保つ大切さや知識を伝えていきながら、

いま、ここでできることを考えていきたいと思う。