JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「ピザが焼けたよ!」

孤児院の子どもたちとの調理活動は、

私にとっても楽しみの活動のひとつである。

ある意味では戦いでもあるのだが、

それは抜きに心から楽しい活動だ。

先週末にデザートピザを子どもたちと焼いた。

ケチャップで味付けをしたものは焼いたことがあったのだが、

子どもたちと甘いピザを作るのは初の試みである。

子どもたちに「甘いピザが日本にはあるんだよ」と話してから、

「いつになったら作るんだー?!」とラブコールを受けていた。

子どもたちに紹介したのは、

生地にチョコレートと果物をのせて焼いたピザである。

ここセネガルでは、小麦粉は安く購入できるのだが、

チョコレートは庶民的なものではなく高級品で、

活動で取り上げたくても活動費の支出を考慮すると、

簡単には「やろう!」と言えずにいたのだ。

しかし、セネガルにも庶民的なチョコレートがあるのに気が付いた。

セネガルでは、朝食にフランスパンを食べることが多い。

パンには、ツナや豆、玉ねぎソースなど自分の好みのものを挟んで

かじるように食べるのが主流である。

その挟む具材のひとつにチョコレートがある。

正確にはチョコペーストのなにかであるのだが、

そのチョコレートを使うことにした。

孤児院の子どもたちは、弱火というものを理解できないようである。

調理活動ではフライパンで焼く○○シリーズを取り上げることが多いが

子どもたちは基本強火である。

私は、毎回「火は弱くていいからね」と伝えているが、

子どもたちは火力全開で焼こうとする。

その上、子どもたちはなんと、

焦げたものは見た目が悪いからと言って食べようとしない。

強火にしていたのは誰だといつも言う始末である。

子どもたちに、強火、中火、弱火があることを伝えたいのだが、

なかなか理解してもらうことができずにいる。

「早く焼いて食べるには強火が一番」と口をそろえる子どもたちだ。

しかし、気が付けば子どもたちが身についたこともある。

それは、手を洗うことである。

始めた頃は、何度「手を洗ってから!」と言ったことかわからない。

いまでは手を洗ってから調理場へやって来る子がほとんどで、

包丁なども水洗いしてから使うようになった。

そして、片付けもするようになった。

調理でなにかを焼いている間などにささっと洗い物をする子を見ると、

「お兄さんになったな」「お姉さんになったな」と思うのである。

栄養のことなども伝えられたらと思うのだが、

まだその道のりは険しいようである。

小麦粉とチョコペーストの何かが中途半端に余ったので、

クッキーを焼いた。

少しぱさぱさで崩れやすい仕上がりになったうえ、

砂糖が足りなくて甘くないなど文句ばかりの子どもたちだったけれど、

笑顔で完食してくれた。

乾季のいま、先日、季節外れの雨が降った。

そして、急に暑い日が戻ってきた。

忙しい毎日ではあるけれど、その中に余裕が出てきた今日この頃。

私の任期は、今年6月末までである。

残りの限られた時間を僅かしかないと言い訳せずに、

自分にできることを、

セネガルにいる仲間たちと共にやっていきたい。

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