JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「ドレミファソ」

セネガルで楽器と言えば太鼓で、

ピアノやオルガンなど日本の子どもたちに馴染みのある楽器は

セネガルの子どもたちにとって遠い存在である。

私は、セネガルに来て1年半以上が経つが、

太鼓以外の楽器を見る機会はほとんどなかった。

首都ダカールには、

電子ピアノやギターなどを取り扱う楽器店があるが、とても高額だ。

セネガルで楽器に親しむということは夢のまた夢である。

そのようなセネガルで、ひょんなことから、

リコーダーとカスタネットをいくつか頂けることになり、

子どもたちと音楽の時間に楽器を楽しむ機会を設けることができた。

先月より、幼稚園ではカスタネットでリズム遊びをしたり、

タリベたちとはリコーダーを練習したりしている。

子どもたちは楽器に興味津々だ。

初めてタリベたちがリコーダーを吹いたときの笑顔を、

私は忘れることができない。

残りの任期が僅かであるけれど、

子どもたちに楽器の楽しさを伝えられたらと思っている。

私の活動先のタリベは、

中学生くらいの年齢の子どもたちもいる。

リコーダーは彼らと練習を始めた。

しかし、「ソ」の音が出ない。

1時間くらい練習したが、誰もその音を吹くことができなかった。

タリベたちは特に、

指先に意識を向けて何かをするという経験が少ないのかもしれない。

砂遊びの習慣もないし折り紙もないし、

一日の多くの時間を路上で過ごす彼らは遊び歌も知らない。

そして音階を意識するということも経験にない子どもたちは、

ソの音を初めて知った。

タリベたちは、音が正しく吹けるかより、

音が出るそのものを楽しんでいる様子で、

根気強く教えていれば、

ソの音が出るようになるのではないかと思っている。

もう飽きたと投げ出すような雰囲気ではない。

セネガルのオトナたちも楽器に触れる機会がほとんどなく、

子どもたちに楽器を教えることはとても難しいようで、

オトナたちも練習している。

音楽の時間が増えた最近、

同期隊員とそのご友人の方のおかげで、

フルートとサックスに触れる機会も得ることができた。

タリベたちは、

「国歌を吹いて」「あの歌を吹いて」とリクエストをしたり、

音に合わせて歌ったり、とても楽しそうであった。

意欲的なタリベたちは、「挑戦したい」と

フルートもサックスも音を出そうと必死になっていた。

中には、音が出せた子どももいて、

音は出せないけど持ち方はプロレベルという子もいた。

楽器というと太鼓の国、セネガルで

フルートとサックスに親しんだタリベたち。

この国で楽器というと敷居が高く感じるけれど、

木を打ち合わせて音を出してみたり、

空き缶に小石を入れて手作りマラカスを作ったり、

身近にあるもので音を楽しむことができる。

子どもたちには、思い思いに好きな音を探してほしいと思う。

遊びに来てくれた同期隊員とその友人のNさん、

子どもたちはとても貴重な経験ができました。

どうもありがとうございました。

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