JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「空へ」

子どもたちの成長って素晴らしいなぁと思う。

セネガルに来て、子どもたちと初めて折り紙を折ったときは、

上達までの道のりは長いなぁと感じていたけれど、

今では器用に折る子どもが増え、

立体の飾りだってきれいに折っている。

立体の飾りは、一つ一つのパーツが丁寧に折られていなければ

組み合わせて立体にすることができない。

こうした作品を折れるようになったことは、

本当にすごいことだと思う。

折り紙を知った子どもの全員が興味を示し、

熱心に折り続けるわけではないけれど、

日本の文化のひとつである折り紙を好きになり、

「楽しい」「うまくなりたい」「たくさん折れるようになりたい」

とアトリエに遊びに来てくれる子どもがいることが嬉しい。

折り紙だけでなく切り絵も人気で、

持ってきていた切り絵の本に掲載されている作品は

気が付けばすべて作り終えてしまった。

切り絵を取り上げるときに思うことは、

小さいサイズの切れ味の良いハサミがもっとあればということ。

セネガルの地方では、切れないハサミがハサミとして売られている。

幼稚園でも折り紙は何度か取り上げてきた。

その中のひとつに紙ヒコーキがある。

いつもはA4サイズの紙や折り紙を利用したりしているが、

今回は、大きな模造紙(のような紙)や古紙を貼り合わせたもので、

7人前後のグループに分かれて大きな紙ヒコーキを作った。

ひとりでは上手に折ることはできず、

友だちに押さえてもらいながら折るなど協力することが必要だ。

どんなに人数がいても、

協力しなければ完成させることができない。

セネガルの幼稚園では、

日本の幼稚園に比べて集団でなにかをするといったことが少ない。

個人作業が多く、集団遊びの機会も少ない。

仲間と力を合わせる楽しさを知るなど道徳的観点はないのだ。

普段の図工の時間でも、

お互いの作品を見せ合ったり、褒め合うという場面はなく

自分の作品をつくったらそれで終わりである。

音楽の時間では、

公用語のフランス語の歌詞の曲が取り上げられ、

音程やリズム、歌に親しむということよりも

歌詞の発音がきれいかどうかに重点が置かれることが多い。

セネガルの地域でのつながりは強く、

異年齢と関わる機会も日本に比べて多い。

人間性や社会性を育てる、道徳的教育は幼稚園の役割でなく、

地域社会の役割と考える人が多い。

また、イスラム教徒が多いセネガルでは、教育現場ではなく、

コーランや宗教指導者から学ぶものであると考えている。

大きな紙ヒコーキは、いつも折っている紙ヒコーキにように

投げて飛ばして遊ぶことはできなかったのだが、

子どもたちは、ヒコーキを頭の上で飛ばすように走り回っていた。

私の任地サンルイの空を、本物の大きな飛行機が飛んでいる。

私は勝手にあの飛行機はフランスへ行くのだろうか、

首都ダカールへ向かって飛んできたのかなどと思い、

わくわくしてしまう。

去年の今頃はまだまだ涼しい日々だったのだけれど、

今年はすっかり暑さがやって来てしまって、

空の青さも濃さが増してきた。

私は暑さがしんどいので、

「木陰で遊ぼう」「お水飲んでおいで」「休憩だー!」と

子どもたちや先生に声をかけるのだけれど、

子どもたちの耳には届かないよう。

子どもたちは暑くてもへっちゃらな様子で、

汗をかきながら大きな大きな紙ヒコーキを飛ばしていた。

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