JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「村へ」

7月に入ったセネガルは、雨季がやってきたこともあり

じめじめとした暑さが続いている。

任地のサンルイではまだ雨が降っていないが、

特にセネガル南部、他の隊員の任地ではもう雨が降ったらしい。

日本の梅雨のように一日中降り続けることはなく、

まとまった雨が短時間のうちに降る。

雨季がやってきた今、セネガルでは

3か月以上の夏休みの真っただ中だ。

私は、国内旅行に出かけてきた。

半分は私的な旅行で、半分は活動のための視察の旅行である。

任地のサンルイを出てまず向かったのは、

サカルという村である。

同期隊員の活動している村で、村民の多くが農業に勤しんでいる。

丘のある村で、セネガルでは珍しく、坂のある風景が広がる。

空が広く、白い雲が日本の夏を思い出させてくれる。

村には大きなスーパーマーケットなどは一切なく、

小さな商店があるのみである。

村の中心に住んでいるのは、4000人ほどである。

カーズと呼ばれる小屋のような家が並ぶ。

村で一番高い建物は、サカル駅旧駅舎で、

村の中心に位置している。

現在、鉄道は運行しておらず、

枕木が朽ちた廃線跡には雑草が生えている。

村の主な交通手段は、シャレットと呼ばれる馬車である。

おとぎ話に出てくるような可愛らしいものではなく、簡素なものだ。

国道から村までの2kmほどを3人で500FCFA

日本円にして100円ほどの運賃を払い乗せてもらった。

ちなみに、村から国道までは、300FCFA,

日本円にして60円ほどの運賃だった。

馬車が交通手段となっているが、

たくさん走っているわけではなく、

馬車が来るのを道端で何時間も待つということもある。

私は、サカルを出るために、

1時間ほど木陰に座って馬車を待った。

交通手段は馬車と言ったが、それはあくまで国道からサカルまで、

或はサカルからさらに周辺の村へ行くときのことであって、

村は10分もあれば歩いて回れるほどの小ささである。

村はとても静かで、

聞こえてくるのは、馬の蹄の音か羊の鳴き声、

そして風が吹き抜ける音である。

ゆったりとした時間の流れの中で、

人々が生活を営んでいた。

サカルの村には女性と子どもが多い。

野菜を売ってきたのも女性であったし、

道ですれ違うのも女性ばかりだ。

男性は、この村では十分な稼ぎを得ることが難しく、

街へ出稼ぎに出る者が多いと聞いた。

日が傾き始める前に、

サカルをあとにしてケベメールへと向かった。

ルーガという街でバスを乗り換えて行く。

ルーガからサカルまでのバスは、

小さなトラックの荷台に椅子と屋根をつけたようなバスで、

日本を走るバスとは違う。

このバスは、なにもない広い大地の真ん中でエンジントラブルを起こし、

走らなくなってしまった。

広い大地に降ろされる乗客たちは、次に来るバスを待つしかない。

不思議なことに、文句を言う乗客もいない。

そのような中で、だんだんと日は傾き始めた。

広い大地を夕日の赤色が染めていく。

その様子はまさに絶景で、私は急いでカメラを取り出し、

シャッターを切った。

クラクションの音が聞こえた。

その音のほうに目をやるとバスがやってきていた。

それはそれは、超満員であったが、

私はこのバスに乗ってケベメールへ向かった。

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