JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「祈る」

95日、私の任地であるサンルイは

巡礼に来たたくさんの人々でごった返していた。

セネガル人の友人によれば、

「フランス植民地時代、

 伝統的なアフリカの社会が崩壊する瀬戸際で出現してきたのが

 イスラム教のムリッド教団で、

 植民地宗主国フランスはそこに脅威を感じ、

 開祖のバンバの身柄を拘束し、人々への影響力をそごうとした。

 バンバは三度も海外へ流刑になるのだが、

 189595日、

 サンルイで行われた不公平な裁判でガボンへの流刑が決まった。

 しかし、フランスの思惑とは裏腹に、流刑の度に信者を増やし、

 生ける聖者としての名声を高めていくこととなった。」

とのことで、

ムリッド教団、そしてバンバの信者が巡礼に訪れていたのだ。

セネガルのイスラム教徒の人は、

「ただのイスラム教徒」という人は少ないようで、

ムリッドやティジャン、ライエンヌ、カドリヤなど

どれかしらのイスラム教団に所属していて、

教団への帰属意識も高い。

「イスラム教は偶像崇拝が禁止されていなかったっけ?」

と素朴な疑問が生じるのだが、

純白のターバンを頭に巻いたバンバの似顔絵や

各教団のマラブ(宗教指導者、イスラム導師)の写真や肖像画が

レストランや屋台、家の壁など

町じゅうのいたるところに飾られている。

この日、サンルイ島の中心の広場にたくさんの人が訪れた。

若い人から老人まで、幅広い年齢の方々が集まっていた。

お祈りをするための絨毯を広げ、

その上に静かに座り、祈るときを待っていた。

広場はいっぱいになり、周辺道路でも祈りの時間を待つ人がいた。

祈りの時間が近づくにつれ、厳かな雰囲気に包まれ始めた。

そして、祈りを呼びかける声が響き渡り、祈りが始まった。

人々が一斉に祈るときの静寂さは、何とも言えないほどの

美しさがあった。

まだまだ知らないことだらけの私である。

知ったような気にならないで、

セネガルで、

セネガルの文化を、暮らし方を、

たくさんのことを学んでいこうと思う。

※3枚目、お祈りの様子の写真は、

 配属先から留意事項を伺い撮影しました。

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