JICA海外協力隊の世界日記

ゆとり太郎の「酸いも甘いも、塩っぱいも。」

ベトナム語学習の酸いも甘いも。

シン チャオ(Xin Chào)!
ベトナムでの生活も、もうすぐ一年。
今回は、JICAに提供してもらった学習機会(2022年度時点)と約一年半触れてきたベトナム語に対する個人的な所見・所感をまとめてみました。

提供される語学訓練の機会は、5期。

1.訓練前のホテル隔離期間(約2週間)*コロナ対策のため、本来は存在しない。

 オンラインでの語学の授業が平日の午前中にありました。
オンラインだと画面越しに先生の口元が良く見え、ミュートすることで発声を自由にできるので、発音の基礎を学ぶのに大変良かったです。先生一人に付き、生徒が2人であり、事前学習の確認や発音や挨拶などの基礎を学びました。

2.訓練所期間(約70日)

 訓練所では、平日は朝から15時頃まで「語学訓練」がありました。
先生1人に対して生徒が2~3人(感染対策のための人数制限?)と、丁寧に指導してもらえました。
必要に応じて、オンラインを併用しながら行われました。
先生が楽しく指導して下さったので、ベトナム語を学ぶのが好きになりました。
もちろん、宿題は毎日出ます 笑

3.訓練後~出国までの期間(約70日)

 訓練所の出所後から渡航までの期間は、オンライン語学訓練が実施されました。
自身と先生の予定を調整しながら、積極的に予約して受講する必要があります。
*訓練所時の先生とは変わる可能性アリ

4.入国後の現地語学訓練期間(約1ヵ月)

 渡航後には、都心部の語学学校にて現地語学訓練が実施されました。
任地のアンザン省に最も近い大都市ホーチミンの語学学校にて、現地の先生との会話を中心とした授業を受講させてもらいました。
質問に対して、英語でも解説してもらえたので、大変わかりやすかったです。
現地の方言に慣れたり、新しい気候・生活環境にカラダを適応させる期間でもありました。

5.任地移動後の期間

 任地で活動を始めて以降も語学学習の機会が与えられました。
任地の語学学校か家庭教師を見つけて契約すると、約60時間の学習機会が得られました。
(任地に指導可能な先生がいなければ、都心部の先生からの指導を得られます。)

 語学学習のためのサポートが手厚いので、上手に活用して語学力をアップさせたいですね!

ベトナム語の読み書きは簡単!

 ベトナム語は、漢字や英語を学んだ人には取っ付きやすい言語です。
その理由は、

1.アルファベット表記

 ベトナム語は、アルファベット表記です。
基本のアルファベット(A~Z)から、「F」「J」「W」「Z」が無くなり、新たに「Ă」「Â」「Đ」「Ê」「Ơ」「Ô」「Ư」が追加されている形式です。
 そのため、ローマ字や英語を知っている方には、とっつきやすいです。

2.漢越語が7割

 ベトナム語は、中国語とフランス語に影響を受けている言語で、元々は漢字表記だった単語をアルファベット表記に変換して作られました。そのため、漢字由来の「漢越語」が約70%を占めます。つまり、70%の単語には合致する漢字が存在するため、漢字から意味を推測することが可能になります。ゆえに、漢字を読める方には、学びやすい言語です。

3.基本文型は英語に近いが、日本語に近い文型もある。

 ベトナム語の基本文型は英語に近く、主語+述語+目的語の語です。
例.「私 食べる フォー」と書くと「私はフォーを食べる」という文章になります。
ただし、「I・my・me」や時制、三単現による単語の変形がありません。
つまり、英語より書くのが簡単!

 ベトナム語の特徴的な文型は、「花 綺麗な」のように後ろから名詞を修飾することです。
また、「姉 私」と名詞を並べることで「私の姉」という意味になります。

 そして、日本語に近い部分は、ベトナム語でもこの文章が許容されることです。
「明日は仕事に行く」
これは主語の「私」が省力されていて、主語が必須である英語にはない文型です。
しかし、ベトナム語では、日本語と同様に、自明な主語を省略することがあります。

つまり、ベトナム語の読み書きは、日本人には比較的簡単だと思われます。

ベトナム語学習における難点

 最大の難点は「音」です。
英語に比べ、読み書き能力と会話能力の乖離が大きいです。
英語はカタカナ発音でも通じる可能性が高いが、ベトナム語はほぼ通じません。
その理由は、、、

1.声調

 大まかに言うと、北部と南部で声調が異なります。
詳細は省きますが、北部は6種類の声調があり、音の上下がハッキリしています。
一方、南部の声調は5種類であり、同じ声調記号でも、北部より音の上下が曖昧だったり、そもそもの発音法が異なります。
是非、YouTube等で声調の違いを確認してみてください。

2.母音と子音

 発音が地域によって明らかに異なります。

母音:「i」「e」「ê」の発音に地域の特徴が出やすいです。
子音:「L」と「N」、「S」と「X」の音が入れ替わることがあります。「D」「Gi」「R」の音が地域で違います。

 北部は「D」「Gi」「R」を/Z/で、南部は/Y/で発音します。更に西部は文末の「R」を/G/で発音します。

例.「Rồi」
標準語:ローイ
北部弁:ゾーイ
南部弁:ヨーイ
西部弁:ゴーイ

3.音節

 英語の感覚とは異なり、文法的や意味的ではなく、言いやすさで音が接着する場合があります。
個人的に違和感が大きい部分です。

例.Tôi / là người / Nhật.

 また、どんな言語でもだと思いますが、よく使われる言い回しは、単語の音が繋がって発音が変化します。
そのため、音同士の接着音に慣れる必要があります。

これら3つの音の課題に加えて、各地の独特な単語や言い回し等の課題があります。

ベトナム語学習の方法と目標

 まずは、一人で出来ることを優先してやっています。
隙間時間の単語学習と音読練習(お手本を聞いた後、録音しながら音読し、それを自分で聞いて修正する)が基本です。
独学で出てきた疑問を、語学の先生や友達にコーヒーを飲みながら教えてもらっています。
 また、とにかく会話することを意識しています。
下手で当たり前なので、相手の発音や表現をよく聴いて真似して、わからない場合には書いてもらうようにしています。

 楽しく学ぶをモットーに、徐々に成長していければと思います。
帰国時には、時事ニュースをある程度聞けとれる程度になれるよう、あと一年間コツコツ励みます!

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ