JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ

ウムガンダに参加!

只今小雨季中のルワンダは、「晴れ時々豪雨」という天候です。突然の天気の変化には驚きますが、雨季は何よりも水が定期的に供給されることが一番ありがたいです(乾季はとても往生しました…)

今回はルワンダの特徴的な国民行事、「ウムガンダ」について紹介します!

■ウムガンダとは

地域における国民の奉仕活動。毎月最終土曜日の午前中に、住民が協同して各地の清掃活動や整備活動をする。全ルワンダ人(世帯代表)参加必須で、外国人の参加は任意(日本の自治体や子供会毎の清掃活動などに近いイメージ?)。ジェノサイドが発生した1994年以前から実施されているが、ジェノサイド以降は政府が更に力を入れて取り組んでいる。

ウムガンダという行事があると知り参加したいと思っていましたが、なかなかタイミングが合わず参加しそびれていました。郡庁の同僚と話をした処、丁度10月のウムガンダで郡庁主導の植林活動の企画があると聞き、この機に参加してきました。

■前日までの流れ

「今度のウムガンダに参加したい」と同僚と話していると、森林担当(=今回のウムガンダの取り纏め役)が「トモコも参加してくれるの!ぜひ!今回は幹線道路沿いの植林をするのよ」と勢い込んで説明してくれた。どうやら防砂林の植林らしい(ルワンダの雨季は豪雨なので、土砂崩れ防止の目的もあるのかと)。今回は郡庁主導の大規模な企画らしく、企画書も見せてくれた。

【写真①:企画書】

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前日に念押しで同僚に「明日ウムガンダだよね。私も参加するからね」と伝えると(ルワンダではうっかり約束を忘れられている可能性が高い為)、「Ntakibazo(※)。当日は7時に郡庁集合だよ」と教えてくれた。

※Ntakibazo:[キニアルワンダ語]ナチバゾ。No problemの意味。

■当日の流れ

◇集合

7:00頃 集合時間と言われた時間に郡庁に行くも、予想通りまだ殆ど人がおらず。顔見知りの警備員に聞いて、駐車場のバス(専用チャーター)の中で待機。

【写真②:バスの中】

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8:20頃 漸く郡庁のメンバーが集まり出発。同僚に「7時集合じゃなかったの?」と聞くと、「7時に集合、メンバーが揃うのを待って8時に出発さ」という事。そろそろルワンダ人の感覚が分かってきた。

【写真③:出発】

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◇作業

9:00頃 今回作業するセクター(=郡の一つ下の行政区分)に到着。既に沢山の村人達が集まり作業中。軍人らしき人達も一緒に作業。郡庁職員は監督係。

【写真④:到着】

私も苗木を積んでいるトラックの後ろに並び、苗木を貰う。

植林区域へ移動し、耕してもらった場所に苗木を植える。村人が「よし、この木の名前はトモコだな!」と命名。

【写真⑤:トラックに並び→苗木を貰い→郡庁のメンバーと一緒に→植林区域に植林】

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村にムズング(外国人)が来るのは珍しい為、村人が集まってくる。「日本人ならKarateを見せて!」というので突きを教えてあげると歓声が上がる。

他にも色々な現場を見学。防砂植物(背の高い芝のようなもの)を植えているグループ、雑草を刈って道を整備しているグループと様々。郡庁主導で企画進行し、村人、郡庁、軍隊も協同で作業を進めていた様子。

【写真⑥:防砂植物の植樹】

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【写真⑦:道路の整備(トップページの写真)】

◇集会

10:00頃 広場に集まって集会。郡庁や警察、軍隊の役職者達がゲストとして中央のゲスト席に参列。なぜか私もゲスト席に案内されて、村人達に囲まれて参加。

司会者が進行し、各機関の代表者が挨拶。決まりの掛け声と合いの手があるようで、各代表者が挨拶の合間に「〇〇〇…!」と叫ぶと、村人達が揃って「△△△…!」と応じていたのは圧巻。

【写真⑧:上_集会(中央がゲスト席)/下_ゲスト席にて参加】

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10:50頃 雲行きが怪しいと思っていたら、案の定雨が降り出し(土砂降り)、集会は早めに終了。バスで帰路へ。

◇ランチ

11:30頃 郡庁近くのレストランが予約されており、郡庁メンバー(役職者も含む)と皆でルワンダビュッフェのランチ。

13:00頃 解散

半日掛かりの作業でしたが、朝から村人達と一緒に作業出来たのが新鮮でした。

全国民参加の行事の為、未舗装の道路が多い奥地の村落エリア整備の整備には適している側面もあります(お金ではなく、人足の供給で整備促進)。但し、対象地域をどのように決めているのかは分かりません。

作業自体は土木作業ですが、目的は民族の区別なく全国民で協同して作業をする、というもの。強制的な行事ですが、民族融和の為に色々な工夫がされていると感じました。

ただ、進行時間や道具の調達、手持無沙汰の人達もいた(作業が終わったから?)等、「ロジ周りは改善の余地があるかなあ」と感じつつ、これだけ多くの村人を動かす行事が組めるという面で、ルワンダの行政の力の強さを感じました。

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