ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ(小郷隊員は帰国しました。)

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小郷 智子
大阪府

タイプ/職種
青年海外協力隊
コミュニティ開発
派遣国
アフリカ
ルワンダ ルワマガナ郡
一言メッセージ
かねてからの「途上国の現場を見たい」という思いから、銀行を辞めてルワンダの地へ。人々の温かさに触れながら、日々ルワンダと自分の可能性に挑戦しています!合言葉は「ブホロブホロ(=少しずつ少しずつ)」!

 

Arigatou運動実施中!

2017.12.14

人 文化

私の住むルワマガナ郡では夜中冷える日の翌朝は濃霧の時があります(6~7時頃)。出勤時は、皆霧の中で知り合いの姿を探しては挨拶を交わしています。バスや自転車は、視界が悪いにも関わらず通常速度で走っている為、徒歩通勤の私はいつもより注意しながら歩いています。8時頃には徐々に無くなりますが、こんな日は「高地にいるんだな」、と改めて感じます(ルワンダの標高は1,000~4,500m)。

さて、今回はルワンダで私が日課にしている「Arigatou運動」について紹介します!

【写真①(トップページ):散歩途中で立ち寄った小学校にて】

■ルワンダ人にとっての日本人の印象

ルワンダの人々はムズング(※1)に非常に好意的で、日本人も例外ではありません。アジア人なので道を歩いていると珍しそうに見られますが、皆気さくに挨拶など声を掛けてくれます(ルワンダは海外から多くの支援を受けている為、「ムズングは我々を助けてくれている」という意識が強いのかもしれません)。

※1 ムズング:「白人の外国人」の意味。最近では「黒人ではない外国人」と広義に使われている為、私も「ムズング」と呼ばれます。

子供達は非常に好機の目で見ており、私を見掛けると遠くの方から「ムズングーー!ヤンビー(抱っこしてー)!」と駆け寄ってくる子達もいます。幼い子は舌が回らず「ムジュング!」と呼んでくるのが可愛いです。日本人はどちらかというと外国人に苦手意識を持つ傾向があるので、初めルワンダの子供達が私のような外国人(しかも素性のしれないアジア人)に無邪気に駆け寄って来た時は、正直驚きました。そして嬉しかったです。

【写真②:イソコ(市場)に行く途中で、子供達から「ヤンビー(抱っこ)」コール!】

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日本に対しては「非常に先進的な国」というイメージを持っており、強い羨望の眼差しも感じます。日本製の自動車や電子機器がルワンダでも浸透している影響も大きいと思われます。ただ、アジア人の識別はやはり難しいらしく、子供達から「ニーハオ!」と声を掛けられることもあります。初めは「おお、中国人と間違えるくらい、アジア人を知っているんだ!」という事に驚きました(ルワンダでは中国資本も多く入っており、中国系建設会社の看板や工事現場を見掛けます。首都キガリには中国系大型スーパーもあります)。

また、(予想していたよりはるかに少ないですが、)時々子供達から’give me your money’と言われる事もあります(たまに’give me my money’とおかしな英語で言われる事も)。が、「ムズングからお金をむしり取ろう!」というよりも、「ちょっと100Frw(※2)貰えたら嬉しいな~」という軽い感じです(ルワンダ人同士でも、よく「100Frwのお茶を奢って!」という会話をしています)。

※2 Frw:ルワンダの通貨、ルワンダフラン。1Frw≒8円位の感覚。

【写真③:郡庁の同僚と訪問した村の子供達。恥ずかしながらも興味深々で近寄ってくる】

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これらの経験から、こう言ってくる子供達は以下の思考であろうということが見えてきました。

◇子供達の思考回路

①アジア人に興味があってコミュニケーションを取りたい

②しかし、日本語は知らない(そして見た目から中国人っぽいと判断)

③知っている英語といえば’give me money’くらい

④とりあえず「ニーハオ(中国人かな?)」、または’give me money(知っている英語。ちょっと貰えたらラッキー)'と言ってみよう!

…という感じです。

興味を持って話し掛けてくれるのは嬉しいのですが、「折角なら、日本語で親睦が深まる言葉を知っているといいのにな~」と思い、簡単な日本語を教える「Arigatou運動」を密かに実施しています。

■Arigatou運動とは

話し掛けてきた子供達に簡単な日本語を教える日課を「Arigatou運動」と名付けて実施しています。色々試した結果、ルワンダ人には「Arigatou」が発音し易いのと、ルワンダ人はよく「Murakoze(※3)」という単語を使うので、教える時はまずこの単語から伝えています。

※3 Murakoze:[キニアルワンダ語]ムラコゼ/ありがとう、の意味。

◇対応方法

①子供達が「ニーハオ」と言ってきたら、まず「違うよー、日本人だよ(よく似ているけどねー)」と伝える。'Give me money'と言ってきたら、「持ってないよ。そういう事を言うのはよくないことだよ」と伝える。ポイントは怒らないこと。怒ると子供達は面白がるし、自分の気持ちが疲れてしまうから(私の場合)。

②キニアで簡単な挨拶をした後、「日本語知ってる?」と言って、「Arigatou」を教えてみる。

③反応がよければ、挨拶(Ohayou等)や体の部分(目とか鼻とか)の単語も教えてみる。空手をしながら「Ichi,ni,san…」と教えてあげ盛り上がることも。

【写真④朝、通勤途中で出会った子供達。教えた挨拶を一生懸命反復】

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これがいつの間にか日課になり、道を歩いている時も、お店で買い物をする時も、バスに乗っている時も、活動先で色々なコーペラを回っている時も、簡単な日本語を教えるようになりました。日本語に触れる機会が無い為、面白がって大人も子供も集まってきます。「これは日本語でなんて言うんだ?」「じゃあ、これはキニアでなんて言うか知っているか?」と、キニアの勉強にもなります。

【写真⑤:イソコ(市場)にて日本語を教えていると集まってきた人々】

■Arigatou運動を実施してみると

この日課のおかげで、以下のような効果を感じています。

◇効果

①道を歩いていると、突然「Arigatou!」と呼び掛けられるようになった。顔は覚えていないものの、一度どこかで会っているという事が分かるように。また、いつもより遠出していても「Arigatou!」と呼び掛けられることがあり、皆が色々な場所に住んでいることが分かり始めた。

②よく行くお店の店員さんと仲良くなり、「Arigatou」と会話していると、「なにそれ?」と他のお客さんにも声を掛けられ、話すきっかけが増えた。そして熱心な店員さんは教える度にノートにメモを取っており、少しずつボキャブラリーが増えてきた。

③活動先でもボスや従業員と仲良くなりやすく、行くと日本語で挨拶してくれるようになった。

④散歩コースでの知り合いが増えた。

⑤「ニーハオ」、’Give me money'と言われた時の、自分なりの対応方法が身についた。

【写真⑥:ガレ(バス停)で仲良くなった自転車タクシーのお兄ちゃん&子供に、道端で「Arigatou!」と声を掛けられ再会】

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【写真⑦:食堂のお兄ちゃん。勘定帳の隅に日本語を熱心にメモする】

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【写真⑧:近所のお店の店員さん達。買い物をすると「Arigatou!」と言ってくれるように】

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要は、仲良くなれて単純に楽しいです。

日本語を通じて、日本と日本人に親近感を持って貰えれば、と思っています。

【写真⑨:別れ際に笑顔が見られると、やはり嬉しい】

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