JICA海外協力隊の世界日記

クズ・ザンポーラ♪ 幸せの国の農場便り♪

夏の農場便り♪

クズ・ザンポーラ♪ 世界中の皆さんこんにちは♪

活動任地であるブータン王国の西部パロ県もそれまであまり雨の降らない雨季でしたが、ここ最近は雨も降る様になりやっと雨季らしくなってきました♪

今回は夏の私達の農場便りと言う事で、写真を少し多めに今の農作業の様子をご紹介します♪

まず、何度もこのブログでも書いておりますが、私達は一般的な野菜や果実を生産する農場では無く、主に野菜や果実の種子や苗を生産する農場になります。

なので、今の時期は昨年度から栽培していた野菜類の終盤期でありながら、今年の秋に採種出来る野菜の生育管理の時期、そして、来年に採種する為の野菜(畑)の準備期でも有ります。

その中でまずはこの時期に種子が採れ出している野菜の幾つかを紹介します♪(昨年も、同様に紹介したものも存在します‼)

上の写真は従業員とエンドウマメの採種・調整を行っている様子です。

調整選別機等の機械は無い為、調整段階に入ると皆さんで揃って、人の手と目による作業が行われます♪

まずは、マメの入った莢からマメを外す脱粒(だつりゅう)と言う作業を行い、そこからフルイを使ってマメとマメ以外の(しいな)等に別けて、マメを取り出します。

振り分けたマメを今度は地道に大皿等に移して、変形・変色・傷や腐れの有るマメを取り除き、良種選別を行います♪

エンドウマメ.jpg

綺麗に莢に入っている様子はこの様な形になっており、ブータンの農家でもエンドウマメは食としては勿論、稲作の終わった田圃に栽培する程の冬から春にかけての重要な収入源でも有ります♪

ダイコン採種.jpg

これは私達のダイコンの圃場での採種が始まった時の様子です♪

今年の春に病害虫の被害が大きく、国の対策機関と相談して必死の対応をしたことで何とか生育が回復し、結果としてとても多くの花が咲き、種子の充実状況も良くなりました♪

ダイコン鞘.jpg

これがダイコンの種子の入った莢になります♪

とても特徴的で不思議な形をしておりますが、実に理にかなった構造をしており、莢自体はとても硬いのですが、中は綿状の構造になっていて、莢が地面に落ちた時に尖った莢の先から少しづつ水が浸透して、莢の中の水分が保たれ、発芽に繋がる様な構造になっています♪

キャベツ採種.jpg

また、これはダイコンと同じアブラナ科のキャベツの種子を採種している状況です♪

形はダイコンと異なりますが、このキャベツの莢が緑色から乾燥して黄色になった時が採種の目安になります♪この写真ではみんなで手分けしてそのキャベツを採種している状況になります♪

この写真は採種作業とは異なり、上のキャベツの採種後に残る野菜の残渣をコンポスト(堆肥)にする為の準備をしているトコです。

まずは窒素源として野菜の残渣を用いて、炭素源としては近隣の製材所で発生した大量のオガクズを頂き、それを層状に重ねて行って作ります♪

野菜残渣コンポスト2.jpg

ただ、その前に野菜残渣自体がとても大きいので、それらを丁寧に細かく切り込む作業を行います。これらも破砕機等が無いので、人の手による「ヒト手間」を加える事でコンポストとしての分解が早くなります♪

野菜残渣コンポスト3.jpg

そして、約半日かけてこの様な形のコンポストサイトが出来上がり、来年の春頃には堆肥として使える事を祈りながら、ジックリと微生物による分解を願います♪

また、これは本来の私達の採種作物では無く、農法としての紹介として、個人的に今年の春から行っている内容の一つで。

写真はサツマイモの苗がシッカリと活着した(根張りが強くなった)時の様子の写真です♪

本来、ブータンのサツマイモ栽培はジャガイモを育てる様に、種芋と言う形の小さいサツマイモをそのまま土に植えて栽培する農法なのですが、日本では切苗と言う形で苗の量を増やして、効率的に大量のサツマイモを得る農法を行っており、その農法で挑戦している様子を紹介します♪

踏込温床.jpg

これは今年の冬に作成した踏込温床の上に培養土を敷き、そこになるべく大きめなサツマイモを伏せ込みして育苗栽培を行います。

サツマイモ苗開始.jpg

本来の時期では寒くて発芽が出来ない状況ですが、踏込温床のおかげで温度が保たれ、開始から1ヶ月程でサツマイモの発芽が始まり、初期段階としては上手行った証拠です♪

サツマイモ苗中盤.jpg

それから、2ヶ月もしないで多くのサツマイモから苗が出てき始めて。

サツマイモ苗.jpg

苗を切り出す直前にはココまで成長しました♪

サツマイモ切苗.jpg

さらに、有る程度の大きさの苗を切り出して、サツマイモの畑の予定地に移送します♪

サツマイモ苗定植.jpg

最後に、ブータンには専用のサツマイモの定植用補助具は無いので、ビニールハウスを支柱と張り合わせる際に使う、農業資材を使って、やや高畝(栽培予定地を通常よりも高い位置に作った畑)に黒いビニールでマルチングをした畑に定植します♪

切り出した苗から根が発根して、シッカリと吸水を行うと先の写真の様に苗がチャント自立する様になります♪

結果的に、今年の秋(自身が帰任する)頃に収穫が出来れば良いいなぁ♪と思いながら、これから順調に育って行く事を楽しみながら。また、農繁忙期の農場での作業に戻ります♪

それでは。

カディンチェ・ラ♪(主要言語のゾンカ語で、ありがとう♪の意味)

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