JICA海外協力隊の世界日記

デリー下町生活

市内バスで無賃乗車となじられる

 日曜日、朝早く起きてメトロに乗り、トゥグラカバードに出かけました。デリーの気温は朝晩20度くらい、昼は35度くらいまで上がりますが、乾燥しているため日本のように蒸し暑くはないです。

 ラジブ・チョークでイエローラインに乗り換えてサケットで降り、そこから市内バスに乗って行きました。バス停で待っている人に「トゥグラカバード・フォートに行きたいんですが」と聞いたら、「あのバスに乗りなさい」と親切に教えてくれました。

 バスには前方と中央に乗り口がありますが、中央の乗り口から乗り、乗ってすぐ右側の車掌(私服なので分かりにくい)に行き先を言って切符を買います。私はトゥグラカバード・フォートまでと言って10ルピー払いました。

 20分くらいでトゥグラカバードに着き、遺跡に入りました。前回来たときは朝霧でよく見えませんでしたが、今日は飛んでいる飛行機も見えました。ゆっくり歩いていたら、ケララ州からデリーに来て働いていると言う若者から話しかけられました。ダラムサラの話をしたら、彼も昨年トリウンドのトレッキングをしたそうで、その話で盛り上がりました。

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 バザールの跡。ひんやりして気持ちがいい。ここをくぐり、遺跡の日陰に腰かけて、読みかけのラーマーヤナを読みました。広々した遺跡に囲まれてラーマーヤナを読めるのは幸せでした。

 1時間ほど読書してから、サケットの大和屋に行こうと思い、バス停に向かいました。バスには番号が書いてあるので、自分の乗るバスが来たら手を振って止めます。この時は大勢乗ったので手を振る必要はありませんでした。

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 バスは混んでいて、後ろの人に中ほどまで押しやられました。たまたま席が空いたので、そこに座ってグーグルマップでバスの位置を確認していました。チケットは買えませんでしたが、何とかなるだろうと思っていました。

 二つ前のバス停になったので、席を立ち前の方に移動しました。一番前に車掌らしき人がいて、切符を持っているかチェックしていました。私は10ルピー札を出して「お金を払います」と言いましたが、車掌は「ダメだ。200ルピー払え」と言ってきました。(無賃乗車の罰金が200ルピー)

 サケットの一つ前のバス停でバスが止まったとき、車掌が私に降りろと言うので、しょうがなく降りました。そしたら、罰金係のような人がいて、私に200ルピーを払えと言います。私は「バスが混んでいてチケットが買えなかった。」と主張しましたが、彼はそんなのはノープロブレムだと大声で言うので、私も負けずに大声で「何言ってるんだ。ビッグプロブレムだろう。それに私はチケットを買おうとしましたよ。」と話しました。

 彼は英語を話したので、私はジェスチャーを交えてこんなに混んでいてとても買えなかったと主張しました。しかし、彼は「チケットを買わなかったお前が悪い」の一点張りだったので、私も引き下がりませんでした。しばらく、「ノープロブレム」「ビッグプロブレム」の言い合いが続きました。

 そしたら、それを見ていたおじさんが私たちの間に割って入り、私に「ソーリーと言いなさい」と言いました。最初は何のことかよく分かりませんでしたが、親切に仲裁してくれてるのだと分かったので、両耳たぶを指でつまんで「ソーリー」と謝りました。(インド人が謝るときする仕草)

 驚いたことに罰金係の人はそれで納得してくれました。200ルピー払わなくてよかったんです。私は「次のバス停まで行くんだ。こんなところで降ろしてどうしてくれるんだ」と彼に大声で言っていましたが、彼はこれから来るバスに乗りなさいと親切に言ってくれました。

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 あとで考えたことですが、今回のことはやはり私が悪かったです。どんなに混んでいてもチケットを買うべきでした。これまでチケットを買わなくても乗れたので、いい加減に考えていました。彼らはルール通りしっかり仕事をしていました。これからはバスに乗ったら混んでいても買うようにしようと思います。

 今回、全然私の話を聞いてもらえなかったので、ちょっと頭に来て言い合いをしてしまいましたが、あのおじさんはナイスなタイミングと素晴らしい方法で言い合いを収めてくれました。今思うと、頭に来て大声を出した自分が恥ずかしくなります。これは完全に私の負け。インド人の勝ちです!インド人はつくづく寛容だなあと思います。

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