2025/03/11 Tue
観光
北東州への旅 メガラヤ


グワハティ駅の近くを歩いていると、メガラヤ州のシロンへ行くタクシーの客引きが声をかけてきます。値段を聞くと400ルピー(700円)とか500とか言います。私がバスで行くと言うと、バスなどないと答えます。そんなことはない。必ずあるはずです。
いろんな人にバスはないか聞いてみます。そうすると、親切な人がバスのチケットはあそこで買えると教えてくれました。さっそく行ってチケットを買います。210ルピー。タクシーの半値です。しかも、新車同様のミニバス。これはラッキーでした。
グワハティからシロンまでは95km。舗装されてきれいな道で、途中から高速道路になります。くねくねの上り坂が多くて、トラックはうんうんいいながら登っていました。グワハティは標高が55mですが、シロンは1525mもあるのです。
7時に出たバスは10時過ぎにシロンの街に着きました。私はGoogleマップを見ながら、泊まろうと思っていたホテルに近いところで降ろしてもらい、そこから歩いてホテルに行きました。
オーナーはデリーで働いていたという若いインド人。新しいシーツと枕カバーを付けてくれました。シングルで400ルピー(700円)は安い。普通この値段では汚いシーツと枕が相場です。外にあるトイレやシャワールームも清潔で気持ちの良いホテルでした。
シロンは坂の多い街です。スズキアルトのような乗合タクシーが走っていて、中心部のポリスバザールまで30ルピーで行けます。Googleマップで調べると2kmちょっとだったので、とりあえず歩いてみましたが、アップダウンがきつくて大変でした。
食べ物は豊富です。野菜も果物もたくさん売られてました。インドは本当に豊かな国です。どこへいっても食べ物が豊富にあります。発展途上とはいえ、道路などのインフラが整備されてきて物流が良くなったせいだろうと思います。この写真のイチゴは新鮮で美味しかったです。
このおばさんに何を売っているのか聞いてみましたが、なんだかよく分かりません。値段を聞いたら一つ50ルピーというので、2種類買ってホテルで開けてみました。
2つとも味はしませんでした。上のはボソボソした感じでしたが、下のは明らかに餅でした。もち米の文化があるとは聞いていましたが、食べることができてホントにラッキーでした。写真では分かりにくいですが、薄い餅が5~6枚入っていました。ほんのり甘みがあって美味しかったです。
メガラヤ州のマジョリティはカシ族で、出自は中国の雲南やベトナム辺りなのだそうです。もち米や、豚、牛、鶏、魚などの肉を食べる文化は彼らが持ち続けてきたものなのだろうと思います。
これは街を歩いていて偶然見つけたジャードー食堂。ジャードーとは鶏や牛、豚肉の入った炊き込みご飯で、その上にお好みで肉、野菜、漬物などを乗っけていただくカシの名物料理です。これが食べたかったんです。
真ん中に写っているのは牛肉の燻製。これが美味かった。ご飯もスパイシーでなく、肉や野菜の味を引き立てていました。行こうと思っていたレストランが休みだったので、ここで食べられてホントに良かったです。これで60ルピーは安い。砂糖のたっぷり入ったミルクなしの紅茶も飲みましたが、それも美味しかったです。
それから、グーグルでシロンの天気を調べると、グワハティと似たような気温が表示されますが、実情は全く違っています。標高が1500mあるのだから、朝晩は冷えます。私は夜はウルトラダウンと股引きを着ていたし、寝るときは毛布を4枚掛けて寒さをしのぎました。また、メガラヤ州は世界一降水量の多い地域なので、雨具は必須です。この時期は乾季だったので、雨が降りませんでしたが、他の時期なら大変だったと思います。
さて、シロンのメガラヤ州観光局が毎日バスツアーをやっていると聞いたので、さっそく、ツアーの予約をしました。翌朝、歩いて観光局に行くと参加者が集まっていました。参加者は全部で20人ほど。みんないわゆるインド人でした。バスは予定の8時15分を30分ほど遅れて出発しました。
観光局のお姉さんがバスガイドになり、英語で説明してくれました。最初に行ったのは渓谷のビューポイント。素晴らしい景色が見られるということでしたが、ガスっていて何も見れませんでした。次に向かったのが、生きている木の橋。全然期待していませんでしたが、ここは素晴らしかったです。
本当に木の根が絡まって天然の橋になっています。これは自然にできたのでしょうか。こんなのは他で見たことないから、きっと自然の造形物なんだろうと思います。ゴミも落ちていなくて川の水もきれいでした。
その次に向かったのが「アジアで一番きれいな村」確かにゴミが落ちてなくて、家の周りはきれいにしてありました。竹で作ったトゥリーハウスがあったので、20ルピー払って登ってみました。結構高くてスリルがありました。
その次は滝に行きましたが、あいにく乾季のため全く水がありませんでした。水があれば壮観だっただろうと思います。そして、最後に行ったのがインドで一番きれいな川とバングラデシュの国境です。参加者たちは一人800ルピー払ってボートに乗っていましたが、私は国境の方に興味があったので、バングラデシュとの国境線を歩いてみました。
写真のように2m先がバングラデシュで、バングラデシュの人も大勢来ていました。近くにいたインド人が向こう側のバングラデシュの人と笑顔で話していたので、何語で話したんですかと聞いたら、ベンガル語だと答えてくれました。
両国とも兵士が警備していましたが、兵士同士も話していました。とても友好的な感じでした。これがインドとバングラデシュの関係なんだろうと思います。バングラデシュは昨年政変が起きて、これからの両国関係がどうなるか取り沙汰されていますが、基本的に国民同士は親近感をもっているように感じました。
バスは20時すぎにシロンの街に着きましたが、渋滞が酷くて一向に進みません。私はホテルの近くで降ろしてもらい、10分ほど歩いてホテルに帰りました。丸一日ツアーに参加して800ルピーはお得。いい経験ができて良かったです。
ツアーの途中、木材を積んだ車とすれ違いました。インドのドライバーはとても運転がうまく、通れるかどうかを瞬時に判断してぶつからないで通り抜けることが多いのですが、この時は最後の一歩で木が引っかかって木材が落ちてしまいました。
それでも彼らは怒ったりしません。淡々と片付けます。インド人は本当に寛容です。これは大いに見習う必要があるなと思いました。
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