2025/04/27 Sun
観光
デリーのグルドワーラーを訪れる


インド滞在もあと3か月になったので、できるだけインドを楽しみたいと思っています。映画館には結構行っているので、これからはデリー市内の観光をしてみようと思いました。
さて、この日は、スィク教寺院のバングラ・サーヒブ・グルドワーラーを訪れました。1783年の建築。大理石の城と黄金のドームが青空に映えてとてもきれいでした。朝7時過ぎに着いたので、まずはランガル(共同食堂)に行きました。
朝早いのに大勢の人が座って食べていました。アムリトサルの黄金寺院のランガルでも感じましたが、みんなが平等に座り、同じものを食べていると、なんだかとてもいい気分になるのです。500年以上これを続けているというから、スィク教の平等感は本当に素晴らしいと思います。実際、ヒンドゥー教からスィク教に改宗したダリット(不可触民)も多いと何かの本で読みました。
最初にお盆が配られ、次にローティ、アチャール(漬物)、ダール、そして最後にチャイが給仕されました。ローティやチャイをいただくときは片手ではなく、両手で受け取ります。とてもシンプルな料理ですが、十分おいしくいただけました。チャイが美味しかったのでお代わりしました。
隣のおじさんが「どっから来たんだい。ネパールかい?」と話しかけてきます。ヒンディー語なので、ほんのちょっと分かる程度なのですが、「インドはどうだい?」というので「本当に素晴らしい国です。大好きです。」と言うと、喜んでくれました。
実はグルドワーラーに来たのは、ここで宿泊施設があるかどうかを確認するためでした。ニューデリー駅に比較的近いので、利用価値があると思いました。しかし、確認したところ、宿泊施設は無いとのこと。なんでも、レッドフォートの近くのグルドワーラーにはあるのだそうです。
ということで、翌週、オールドデリーにあるシーシュガンジ・サーヒブ・グルドワーラーを訪れました。日曜日だったせいか朝から多くの人が来ていました。グルドワーラーの前では貧しい人たちにサモサなどの食べ物を配っていました。
ここはチャンドニー・チョークといって、ムガル帝国時代の目抜き通りだったところです。道の両側は商店がひしめくバザールになっていて、ごみごみしていてインドらしい場所です。朝歩いてみると、路上で寝ている人がたくさんいました。ジャマ―マスジット周辺も貧しい人が多かったですが、それ以上に酷い感じでした。
グルドワーラーから少し歩いた場所でも、スィク教徒が貧しい人たちに炊き出しをしていました。車には「グルのランガル奉仕」(スィク教祖の共同食堂の奉仕)と書いてあります。白い帽子をかぶったおじさんに「素晴らしい活動ですね」と声をかけたら、「お前さんも食べて行かないかい?」と笑顔を見せてくれました。
ランガルの様子。食事を作ったり、運んだり、皿を洗ったり、すべてがボランティアで成り立っています。もちろん、食材の購入も寄付で賄われています。みなさん、信仰心からボランティアをしているので、まったく押し付けがましさがなく、すがすがしい感じがするのです。インドに来るなら、是非ランガル体験をお勧めしたいと思います。
グルドワーラーの本堂。日曜日の朝だったせいかとても込み合っていました。正面奥で指導者が説教をしていました。外国人は私だけでしたが、じろじろ見られたりはしませんでした。飾りつけがとてもきれいで、まるで桃源郷にいるようでした。
この後、宿泊施設があるかどうか確認に行きました。英語が通じなかったので、片言のヒンディー語で「ここで泊まれますか?」「どこで泊まれますか?」と聞いて回りました。親切な人が事務所まで連れて行ってくれました。笑顔でありがとうと言うと笑顔を返してくれます。本当に気持ちのいい人たちです。
事務所で聞いたら、「宿泊施設はあるけど、今日は満室なんだ。」と言われました。「部屋を見せてほしいのですが」と聞いてみましたが、無理とのこと。「どっから来たんだい」と聞かれたので、「日本からです」と言うと、「中に入ってチャイでも飲んでいきなよ」と誘ってくれました。
どうせ暇だったので、中に入ってチャイをいただき、片言のヒンディー語で話しました。相手はパンジャブ人だと思ったので、「ガダル2」や「ケサリ」などの映画の話をしたら喜んでくれました。なんでも、ケサリに主演したアクシャイ・クマールは子どものころ、このチャンディ・チョークに住んでいたそうです。インド人は映画好きな人が多いから助かります。
調べてみたら、グルドワーラーは日本にも3つあるそうです。神戸と茨城県の境、そして東京。日本に帰ったらぜひ訪ねてみようと思います。ランガルの料理はインドと同じなのかな。日本にあるインドを回るのも面白そうです。インドは世界性があるなあ。
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