JICA海外協力隊の世界日記

デリー下町生活

日本人ゲストに歓迎の歌を披露する

 先月の中頃、JICAデリー事務所の所長、次長と調整員の計4人が私の学校を訪問しました。目的は、私の日本語の授業を参観するためでした。この訪問については、職場の管理職の先生を通して理事長には伝えてもらっていたのですが、訪問前々日に理事長に突然「全校生徒で歓迎の歌を歌わせたい。指導してくれないか。」と言われました。

 「えーっ、何を歌うんですか?」と聞くと、「歌の名前を忘れたから、明日教える。」とのことでした。時間がないし、無理なんじゃないですかと小声でごにょごにょ言ったら、「大丈夫だ。やってくれ。」と理事長。だって私がやるんでしょ。

 これまでも、うちの学校では、ゲストに歌を披露するというのが行われてきました。昨年の経験では、結構歌の練習をしたので、1日しかないんだから無理でしょうと思わざるを得ませんでした。もっと早く言ってくれればいいのに。いつも急なんだから・・・。

 翌日、理事長から、歌は「幸せなら手をたたこう」だと告げられました。「そうか、それなら子どもたちも知っているから歌えるかもしれない」と思い、でも、どうやって歌を披露するんですかと聞いたら、上の写真のように、全員廊下に出て歌うとのことでした。(幼稚園児と1年生は除く)

 結局、前日は10時半から13時過ぎまで各クラスで歌の練習になりました。担任の先生がクラスで指導し、私が各クラスを回って歌詞の内容と歌うスピードを教えました。全体練習をやってみると、どうしても歌がばらばらになります。他の階の生徒の声が聞こえないので、それぞれのペースで歌ってしまうのです。

 できるだけリズムを合わせるために、曲の初めはホイッスルで合図し、私が中庭に立って大きな動きで生徒にリズムを知らせました。私を見て歌うように生徒に話しましたが、そう簡単にうまくはいきません。

 ある先生が、全員下に降りて歌えばいいのではないかと言ったので、いいアイデアだと思って理事長に伝えましたが、すぐ却下されてしまいました。理事長は廊下に出て歌うイメージができあがっているようでした。

 全体練習では、歌がなかなか合わないので、担任の先生は何をやってるんだと理事長が怒り出す一幕もありました。そして迎えた訪問日。JICAの4人は予定時間に到着しましたが、なかなか私の授業を見に来ません。理事長室でつかまっていたのです。話が長いんだから・・・。「もう授業をやってますよ。来てください。」と私が呼びに行くと、やっと来てくれました。

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 小学校2年生の日本語の授業の様子。4階建てで、各階に4つ教室があり、各階に1つずつスマートボード(電子黒板)があります。また、各学年だいたい2クラスずつあるのですが、この日は2年生の合同クラスでした。(40人ちょっと)

 頭・肩・膝ポンの歌の1番、2番をやってから、「どうしましたか?」「〇〇がいたいです」を勉強しました。黒板には意味を英語で書いてありますが、2年生だと英語が分からない子も多いので、簡単なヒンディー語で意味を説明しました。子どもたちは日本人ゲストが4人も来たので、張り切って授業に臨んでくれました。

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 授業の後、廊下に出て「幸せなら手をたたこう」の歌を全校生徒で歌いました。JICAの人たちに中庭に立ってもらい、私がその後ろで大きな動作で生徒に合図しました。所長(左)も次長(右)も一緒に歌って手拍子をしてくれました。生徒たちは大きな声で「幸せなら手をたたこう」を歌ってくれました。

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 歌が終わって、みんなでイエイと言うシーン。楽しそうにやっています。本番はこれまでで一番よかったです。所長が「Very Gooood!! Thank you!」というとみんな喜んでいました。理事長も嬉しそうでした。私は「Good performance. very good!」と言って理事長と握手しました。

 今回も、インド人の、思ったことをすぐやる側面と、やるとなるとなんとかやってしまう側面を見せつけられた感じがします。これに計画性が加わればVery Gooood!!なんだけどと思いますが、彼らの時間の感覚を考えると難しいのかもしれません。でも、終わってよかった~。ほっ。

 

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