2024/11/05 Tue
映画
タミール映画
今回は最近観たタミール映画について書こうと思います。タミール映画と言えば、ちょっと古いですが「踊るマハラジャ」が思い浮かびます。今回、紹介するのは、現在のタミール映画のスーパースター、ヴィジャイが主演したThe Greatest of All Timeです。
ストーリーは、ざっくりいうと、ヴィジャイが父と息子の二役で登場し、しかも息子は父を恨み復讐しようとするという設定です。映画の中で息子のヴィジャイがとても若く見えたので、化粧でここまでできるのかと思いましたが、後で調べたらディエージングという最新のCG技術を使って若返りを図ったそうです。すごい。さすが世界一の映画大国。
ヴィジャイの映画を観るのはこれで2作目ですが、最初はそんなにカッコいいとは思いませんでした。でも、映画を観ているうちにカッコよく見えてくるんです。演技はうまいし、アクションもいい。そして踊りが上手なんです。それもボリウッド映画の踊りではなく、なんというか割と単純で、土臭く力強い踊りです。これがまたカッコいい。そして、この人は目がきれいなんです。
それに、これはタミール映画の特徴ですが、ヒーロー推しというか、いい場面でヴィジャイが登場すると映像や音楽で盛り上げるんです。私が観たときは観客が声を上げたり指笛を鳴らしたりしていました。歌舞伎の「いよっ、中村屋!」ってな感じかな。文化的に似てるのかな?
ところで、なんとヴィジャイはこの映画の撮影中に、俳優業を引退して政界に進出すると宣言したのだそうです。映画では続編ありみたいな終わり方でしたが、しばらくヴィジャイの映画は見られなくなります。
そして2番目に紹介するのが、Vettaiyan The Hunterです。上の写真を見てお分かりのように踊るマハラジャのラジニカーントが主演しています。なんとアミターブバッチャンとの共演です。踊るマハラジャがそうだったように、ラジニカーントが出る映画は最初に、S U P E R S T A R RAJNIと、どどーんと画面に出ます。ラジニカーントはタミール映画の本家本元のスーパースターなんです。
ストーリーを簡単に言うと、地区警察署長のラジニカーントは正義感があり、めちゃくちゃ強い警察官です。知り合いの女性教師が殺された事件で、ラジニカーントが射殺した男は、犯人ではないことが人権委員会のアミターブバッチャンによって明かされます。そこから真の犯人とその背後にいる巨悪に向かって突っ走ります。とにかく強い。強い。
ラジニカーントがとても若く見えて、最初はそっくりさんだと思いました。とても73歳には見えませんでした。でも、これもディエージングなんだろうな。これだといつまでも映画に出られるんじゃないかな。アミターブバッチャンは82歳。なんとこれがタミール映画のデビュー作なんだそうです。すごい。そんな歳になってタミール語映画に挑戦する?すごすぎる。
ラジニカーントはこの作品が170作目の主役だそうです。素晴らしい。この人の笑顔やユーモラスな演技が大好きです。そして、キメに入るときの歩き方がカッコいい。とても気品がある。突然、神様になるような感じがします。それにしても、久しぶりにラジニカーントが見れて幸せでした。
さて、3番目はアジャイ・デーヴガン主演のSinghamです。この作品は2011年の作品で、私が観たのはリバイバル上映でした。来月Singhamの新作が封切られるので、そのための宣伝上映のようなものです。私にとっては観れてラッキーでした。
この映画はタミール映画のリメイク作品だそうです。正義感があって、めちゃくちゃ強い警察官が悪者をやっつける爽快なストーリーです。腐りきった警察官僚をぶちのめし、悪者に敢然と立ち向かうので、やる気のなかった部下たちが感化されて、ついには警視総監の心まで動かしてしまう。
土臭さ、ヒーローを盛り上げる雰囲気、まさにタミール映画そのものです。アジャイ・デーヴガンはこのころはすごい体をしていました。とにかく強い。鉄の電灯を引っこ抜いて、悪者をやっつける。ヒロインが悪者に奪われたショールを、徹底的にやっつけて取り戻す。いや~カッコいい。私的にはヒロイン役のカージャル・アガルワールがよかったな。南インド映画界で活躍していた人のようです。チャーミングな女優さんでした。
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