JICA海外協力隊の世界日記

デリー下町生活

インド各州の食堂巡り

 インドにはたくさんの州がありますが、デリーには各州の食堂(State Bhawan Canteen)があります。その料理はオーセンティック(本物)でしかも値段が安いんです。その話をJICAの人から聞き、さっそく各州食堂巡りを始めました。

 アーンドラ・プラデーシュ州の食堂が美味しかったと聞いたので、まずそこを訪ねてみました。平日に行ったので、ベジタリアンのターリー(定食)だけでした。まず、受付で200ルピー(360円)を払って席に着きます。

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 しばらくすると、給仕係が料理をサーブしてくれます。おおーっ、品数が多い。給仕係はおかず、インドのパン、ご飯などを順番にサーブしてくれるので、食べたい気持ちを押さえながら、全部揃うのを待ちます。

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 これが全部揃ったベジ・ターリー。ドーナツのようなパン、ワダもあります。南インドのスープ、サンバルもあります。ヨーグルトと、もち米で作ったような甘いデザートも付いています。料理の一品一品が美味しい。これで200ルピーは安い。しかも、給仕係がどんどんサーブしてくれるから、お腹がいっぱいになるまで食べられるんです。ひや~、来てよかった~、ラッキー!

「食べ歩くインド」によると、アーンドラ人はお米が好きなのだそうで、タミール人が昼だけミールスでお米を食べるのと比べて、夜でもライスをモリモリ食べるのだそうです。だから、おかずは酸味、塩味、苦味、甘味がはっきりしていて、ご飯が進むように作ってあるのだそうです。確かに、味がはっきりしていて美味しかったです。

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 別の日に食べたマトン・ビリヤニ。これは日曜日だけのメニューで350ルピー(630円)。写真だとちょっと分かりにくいですが、すごい量でした。マトンが柔らかくて米も美味しかったので、最後まで美味しくいただけました。

 お次は西ベンガル州の食堂、バンガ・バーワン。ベンガルはガンジス川の河口に位置し、肥沃な大地を背景に多くの王朝の支配下に置かれました。もともと豊富な食材に恵まれ、しかも繁栄した土地だったので、調理バリエーションが豊富でその料理は美味しいことで有名なのだそうです。

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 きれいな店内。開店したばかりだったので、まだだれもいません。席に着いてメニューを見て何を食べようかと迷いましたが、699ルピー(1260円)のスペシャル・ベンガリー・ターリーを注文しました。私にとって1食699ルピーは豪遊でしたが、せっかくなのでチャレンジしてみました。

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 これがそれ。ご飯が2種類にローティとプーリー、そして、ダールとジャガイモを千切りにして揚げたもの、マトンのスパイス炒め煮、最後が魚のパトリ(マスタードペーストをからめてバナナの葉に包んで蒸した料理)

 魚のパトリが絶品でした。日本の朴葉味噌のような感じで美味しかったです。「ベンガル人の身体は魚と米でできている」と言われるほどベンガル人は魚と米が大好きなのだそうです。統計上、ノンベジが94%で、それはほとんどの人が魚を食べるからそうなると本に書いてありました。インドの他の地方と比べるとダントツにノンベジ率が高いそうです。

 食べ終わった後、このレストランはフィンガーボウルを出してくれました。指先を洗うレモン水の入ったボウルです。インドに来て初めての経験でした。やっぱりちょっと高級だったのかな。

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 バンガ・バーワン1階に飾ってあったタゴールの写真。多くのインド人の尊敬を集めているタゴールはベンガルの誇りだろうな。タゴールはブラーマンでしたが、魚料理も食べたんでしょうか。それともベジタリアンだったのかな。

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 こちらは
ケララ州の食堂ケララ・ハウス。建物に入ってすぐ受付で食券を買うのですが、写真のように大勢の人が並びました。ここは人気の食堂だったのです。メニューは扇風機の下にあるホワイトボードに書いてありました。

 私はToday's Specialのマトン・ビリヤニ250ルピーとミートフライ100ルピーを注文しました。ちなみにミートフライは水牛の肉です。ビリヤニを注文したのは、今年の夏ケララ州を旅した時アレッピーで食べたビーフビリヤニがものすごく美味しかったからです。

 アレッピーの街角の露店で売っていて、1㎏のビリヤニが100ルピーでした。袋に入れてもらってホテルで食べましたが、それがめちゃくちゃ美味しかったのです。量が多すぎて全部は食べきれませんでしたが。

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 これが注文したマトン・ビリヤニと水牛のミートフライ。どちらもとても美味しかったです。米の形が違っていました。デリーはバスマティライスと言って長粒種の米を使うのですが、これは短粒種なのです。調べたらカイマ米というそうで、この米が美味かった。どうもビリヤニの決め手は米の味のような気がします。

 ビリヤニのマトンも美味かったです。スパイスが効きすぎていないのもベリーグッドでした。デーツのような甘い木の実が入っていてそれも良かった。また、水牛のミートフライは思っていたものとは違っていました。ドライな感じなのかなと思いましたが、しっとりしていてスパイスが効いて濃い味付けになっていました。これがビリヤニの米にマッチして美味しかったです。

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 他のお客さんはベジ・ミールス(ベジ定食)を食べている人が多かったようです。横目で見ると赤っぽい米が出されていました。後で調べてみると、ケララの赤米レッドマッタ米のようです。ぜひ次回はベジ・ミールスを頼んでみようと思います。チキンフライやフィッシュフライもあるから、それと一緒に食べるのもいいかもしれません。

 他にも、アッサム州とオデッサ州の食堂に行きましたが、これまでのところ、アーンドラ・プラデーシュ州食堂とケララ州食堂が、私のお気に入りです。ただ、これからも時々他の州食堂に出かけるつもりなので、新たな料理との出会いがあるかもしれません。さすがはインドの首都です。デリーは楽しみが多くて本当にありがたいです。





 

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