JICA海外協力隊の世界日記

デリー下町生活

世界最悪 デリーの大気汚染

 デリーに大気汚染の季節がやってきました。11月は「政府の指示で、大気汚染が酷くなったので全ての学校を休みにする」と連絡があり、8日間学校が休みになりました。

 11月のある朝、アパートの前に出てみると、写真のように外はもやがかかったように霞んでいました。空気が悪く、スモッグや煙の中にいるような感じです。スマホに入れた「デリーの大気汚染:リアルタイム大気汚染指数」を見ると、PM2,5の指数が541で、PM10の指数が787になっていました。

 故郷新潟市の指数を調べてみたら、PM2,5の指数が30で、PM10はたったの8でした。デリーの大気汚染は世界最悪と言われていて、デリーで空気を吸うことは、1日に25〜30本のタバコを吸うことと同じなのだそうです。ひゃ~、私はタバコを吸わないのに・・・。また、シカゴ大学の報告によると、大気汚染によりデリー市民の平均寿命は12年近く短くなるのだそうです。なんとデリーではこの大気汚染が10月から1月まで4か月も続くんです。ひぇ~、助けて~。

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 この日はさらに上がって、なんとPM2,5の指数が620に、PM10の指数が906になりました。政府の指示は、10年生と12年生を除くすべてのクラスの学校での授業をやめてオンライン授業をしなさいというものでした。うちの学校はどうするのかと思っていたら、オンライン授業の連絡が入ってきました。

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 Google meetでやるんです。子どもたちはスマホの画面で授業を受けます。日本ならタブレットが配られて、それを見ながらやるわけですが。インドの親御さんはその間スマホを使えなくなるけど、お金がかからないからそれはそれで合理的なのかもしれません。と思っていたら、ネットニュースに、兄弟のいる子はオンライン授業が受けられないと書いてありました。確かにスマホが1台しかなければできませんよね。

 今回の政府の措置には、デリーへのトラックの通行の停止と、建設および解体活動の禁止が含まれるのだそうです。そういえば、毎朝作業していた建設現場の人たちはいませんでした。しかし、抜本的な解決は難しいと思います。大気汚染の原因は、パンジャブ州やハリヤナ州で行われている焼き畑とデリーの自動車による排気ガス、工場の煙などだと言われています。

 ネットニュースは毎年多くのデリー市民が大気汚染関連の病気で亡くなっていると報じています。特に子どもたちの健康が心配です。以前観た南インドのドラマの中で、デリー勤務を命じられた人物が「デリーに住んだら、大気汚染で息子の肺の機能が半分になってしまう」と言って単身赴任を決めるシーンがありました。そんなことにならないようにと願うばかりです。

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 私の住む下町で放し飼いにされている牛。牛も人間と同じ動物だから、大気汚染の被害はあるんでしょうね。でも牛はマスクをしないから人間より被害が大きいかもしれません。モー、なんとかしてよ~

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