JICA海外協力隊の世界日記

デリー下町生活

オートリキシャ

 私のアパートから最寄りのメトロ駅までは2kmくらいあります。そしてその間をたくさんのオートリキシャが行き来しています。これらはシェアーオート(乗合いオート)で、メトロと下町をつなぐ庶民の足となっています。

 私は映画やダンスを観に行くので、しょっちゅうシェアーオートに乗っています。値段は片道15ルピー(27円)と安く、ぼられることもないです。ちなみに、インドは駅から町までシェアーオートやバスが走っていることが多いので、どこかに行ったとき私は周りのインド人に聞いてそれらに乗るようにしています。そっちの方が断然安いんです。そうじゃないと、オートの運転手との交渉に時間がかかったり、吹っ掛けられたりすることが多いです。

 さて、私の近所のオートリキシャですが、その多くはEリキシャといって電気自動車です。電気自動車・バイクの導入は日本よりはるかに進んでいるように思います。音がしないので近づいたのに気づかず危ないこともあり要注意です。

 オートリキシャは三輪自動車で、タイでトゥクトゥクと呼ばれているものです。向かい合わせで4人乗れますが、運転手の隣にも座れるので全部で5~6人乗れます。メトロの駅から出発するときは5人乗ったら出発します。私のアパートからメトロ駅に向かうときは拾いながら運転していくので、待たないで乗れます。たくさん走っているので、ほとんど待たないで乗れることが多いです。

 ただ、問題もあります。オートリキシャは三輪なので、横にぐいーんと揺れます。加えて、インドの道路はコンクリートが引っ剥がされていたり、穴が開いていたりするので、揺れ幅が大きいんです。私は何度も車体に肩や腕をぶつけてあざを作っています。頭をぶつけて血が出たこともあります。この時は涙も出ました。だから帽子は必ずかぶっています。

istockphoto-1307870668-612x612.jpg

 それから、インドの居住区エリアにある道路は、スピードブレーカーといって道路がぼこっと盛り上がっている場所がたくさんあります。これを越えるときはスピードを緩めますが、それでも揺れます。揺れ対策として近頃は体を車の中心に寄せるようにしています。隣の人と接触しますが、インドの人は気にしません。こっちの方がオートリキシャの鉄製の枠や天井にぶつかる頻度が少ないようです。

 運転は上手です。道もよく分かっていて、自動車が駐車していたり工事中で通れないと、すぐ別の道を通ります。他のオートリキシャと競争するように走っていきますが、とにかく早い者勝ちで、ちょっと空いていればすっと横から入ってきます。運転手の隣に座っていて、このタイミングで入っちゃダメでしょと思うことがたくさんあるのですが、構わずゴリゴリ行きます。それがまたうまくいくんです。インド人の感覚なんだろうと思いますが、ほんのわずかな差で勝ち負けが決まるようです。負けたほうは譲ります。たまにずっと追っかけてくる運転手もいますが。

1710216914327.jpg

 タイヤ交換する運転手。こないだ乗ったオートリキシャが途中でパンクしましたが、慌てることなくその場でタイヤ交換をしました。お客も協力します。車体をスタンドで固定するとき、私も押して車体を傾けるのを手伝いました。この時は5~6分ほどでタイヤ交換を終え、何事もなかったように走り出しました。さすがです。

1710308249114.jpg

 オートリキシャの後ろにつかまり乗りする子ども。面白いのでしょう。学校の帰りに時々子どもたちがやっています。しかし、運転手が気づくと当然叱られます。自撮りモードで写真を撮ったら「わあ、撮られてる」と言って降りて行きました。

small96.jpg

 こんなに乗ることもあるようです。これじゃ車体もエンジンも痛むだろうに。先のことは考えずに今のもうけを優先するということでしょうか。ま、インドは人の数が多いからなあ。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ