JICA海外協力隊の世界日記

赤い土に暮らして

想像力

わたしの受け持っている科目は、アクションリサーチ入門とパソコン実技という2分野に分かれている。ただパソコンの使い方を教えるだけではなく、パソコンは仕事をよりよく実現させるためのツールとして活用できなければならない。PCインストラクターとして派遣されており、アクションリサーチの授業を行うことは専門外のため手探りで進めている。教材は前任のキューバ人ボランティアが作成したものがあり、それを活用している。
アクションリサーチは調査から報告まで行うため、PPTで発表資料作成、Wordで報告書執筆、Excelでデータ集約など盛りだくさんである。生徒の半数近くはこれまでパソコンの授業を受けたことがないため、もちろん各アプリケーションの基本的な使い方は教えなければならない。

今行っている授業は、アクションリサーチとは何か、どのように進めるのかWordで綴られたテキストを読ませ、それを分かりやすくPPTにまとめよという課題を出している。が、これがなかなか難しい。ほとんどの生徒がテキストの文章をそのままコピーして、PPTに張り付けるだけなのだ。「要約しなさい」「あなたの解釈・意見を書きなさい」「表や図を用いて表現しなさい」など、幾度となく呼びかけてみても出来ない。わたしが図の例を出してみると、それをそのまま作ってしまう。自分で考えて表現するということが苦手なようだ。
モザンビークの教育は、問いに対する答えを丸暗記するのが一般的。他の科目の試験監督をしていて驚くのは、ほとんどの生徒が全く同じ回答をすること(悔しいかな一部カンニングがあることも事実)。

教員として派遣されている他の隊員と話をすると、やはり同じような悩みを持っている。
”想像力や工夫する力を引き出そうと思って活動しても、それはこの国の教育に沿っていないんじゃないか。”
”1問1答のように授業を進めたほうが生徒の理解力もあがるんじゃないか。”

わたしは教員養成校で将来小学校の先生になる生徒に教えている。独りよがりかも知れないが、将来先生になったときに教科書を丸読みするだけじゃなくて、分かりやすく要約したり、黒板に図を描いたりできる力を持っていてほしいと思う。そのためには、どのように生徒に問いかけ、課題を出すのがいいのか。試行錯誤しながら進めていく。

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