JICA海外協力隊の世界日記

赤い土に暮らして

電気・水道・ガスなし

ガザ州のZongeneにある友人Isabelの実家へ2泊3日で遊びに行った。首都マプトからシャパを乗り継ぎ4時間ほどで着く。
海沿いのZongeneは私の生活するNamaachaでは食べることがない新鮮な魚をたくさん食べた。ほかにも私にとって新鮮なことがたくさんあった。

・電気がない
電線は通ってきているものの、電気を使っていない家庭がほとんどだった。Isabel宅も配線はできているけど、もう何年も使っていないといっていた。故障したのか電気を買っていないからなのかは分からないけど、ロウソクで十分生活できるのだろう。近所の家もロウソクやらんたん以外の明かりは見えなかった。だから夜は真っ暗。

・水道がない
これは私の住むNamaachaも同じ。だけど整備されていない傾斜の多い集落で、猫車もままならない。小学生くらいの子どもも、2L/5Lペットボトルを頭にのせて水を運ぶ。

・ガスがない
炭や薪で調理をする。朝も昼も夜も火おこしから始まる。毎日、薪割りもかかせない。Isabelとパウンドケーキを作ったけど、その方法がすごい。鍋を二重にし、外側の鍋の底に湿った土を入れ、内側の鍋に生地を流し込み蒸し焼きにした。

・ご飯の準備は精米から
夕方散歩に出るとどの家庭でも自ら精米をしていた。お米を干して乾かし、臼に入れた玄米を杵でつき、笊でもみ殻をとばす。これを3回繰り返す。

・ゴミが少ない
お米もシマも野菜も自分たちで作り食べる。幹線道路から離れていて地元の人以外の往来がない。家庭から出るゴミもほとんど出ないし、ゴミを落としていく人もいないのがその理由かもしれない。

と、ここでの暮らしはとてもシンプルで、自然で、すごく気持ちいいものだった。でも近代化の暮らしを知ってしまうと、このシンプルな暮らしが難しいのも事実。
一人暮らしの老人にも何件か出会った。Isabelのお母さんも普段は一人暮らし。子どもたちは都市部で働いている。
ある一人暮らしの70歳のおばあちゃんの話によると、孫たちは火のおこしかたも、精米方法も知らない。知っててもここの暮らしで育ってないから力がなく、水を運ぶのもできない。子どもたちから都市部で一緒に暮らそうと言われても、自分は畑の仕事が好きだし、友達もいるからここの暮らしが落ち着くという。
若者が都会へ出て行ってしまうのは、日本もモザンビークも同じだなと感じた。
モザンビークが発展してほしい、多くの人が豊かな生活を送れるようになってほしいと思うけど、シンプルな暮らしに生きる力もすごく素敵だから残っていってほしいとも思う。

Isabelは修道女で、普段は白い修道服姿しか見たことがなかったから、実家につきカプラナを巻いて家事をする姿も新鮮だった。
34歳の彼女は来月からアメリカに心理学やコンピューターを学びに留学する。3年後に帰国して、修道院で教鞭をとる予定だそう。そんな彼女だから実家もとてもお金持ちだと思っていた。。。Zongeneで育った彼女は自然で生きる力も持っていて、アメリカに行きまた違う文化や生活に触れて、更に素敵な女性になることだろう。またいつの日か再会できるといいな。

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