2022/12/29 Thu
人 活動
~ワクチン接種キャンペーン~コミュニティ開発・木下隊員の1ページ
みなさん、こんにちは。以前散歩をしていたところ、COVID-19ワクチン接種キャンペーンのポスターを見かけました。エデア(首都ヤウンデから車で約3時間半の町)で活動している木下隊員も活動の一環でキャンペーンに参加したと聞き、その時の様子を届けてもらいました。
それでは、木下隊員の1ページ~
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こんにちは。カメルーン南西部のエデア市に赴任している木下です。私はコミュニティ開発隊員として、公衆衛生や母子保健の向上のための活動を行なっています。
普段は母子の健康を阻害する要因を探る調査や、それを基に健康向上のための啓発活動を提案・企画したり、配属先の保健事務所が行う公衆衛生のキャンペーンへ参加したりしています。
その中でも、先日行った新型コロナウイルスのワクチン接種キャンペーンについてお話したいと思います。
↑キャンペーンのポスター
病院や公共施設はもちろん、商店や警察車両など、様々な場所に掲示を依頼し感染予防の必要性とキャンペーンの実施をアピールします。
【カメルーンの新型コロナウィルス感染状況】
2022年12月現在、カメルーンでは123,993件の感染(内死者数1,965人)が報告されています。(WHO報告)
感染数は減少傾向にあるものの、引き続き感染対策やワクチン接種が促されています。
【ワクチン接種キャンペーンとは?】
市内の保健地区を更に細分化し、少人数の班を作ります。各班が地域を練り歩き、人々にワクチンの有効性を伝えたり、現在の感染者数を伝えることで予防の重要性を訴えます。
一軒一軒家庭訪問をすることもあれば、市場や教会、レストラン、道ですれ違う一人一人に声を掛けることもあります。
↑線路の上を歩いて地区を移動することもあります。一人はクーラーボックスに入ったワクチンを、一人はメガホンを担いでいます。
キャンペーンは今回第5弾を迎えました。実施期間は3日〜10日間、その間8:00〜15:30頃までほぼ休憩なしで活動するのでとてもハードです。
エデア市では以下3種類のワクチンが接種可能です。(Johnson&Johnson、Pfizer、Sinopharm)都度説明を行い個別に対応します。
↑キャンペーンの実施を広く知らせるために、保健事務所の前に出された看板。キャンペーンの期間やコロナウイルスから身を守るためのワクチンであること等が書かれています。
【接種状況】
カメルーン全域でワクチン接種回数は356万回を超えています。
エデア市のみの正確な接種数は把握していませんが、今回のキャンペーンでは約5,000人の方がワクチンを接種しました。
【人々の反応】
私にとって初めてのコロナキャンペーンは丁度一年前の2021年12月でした。
ワクチン接種は個人の選択であり、いずれも尊重されるべきですが、当時は非常に強いアレルギー反応がありました。ワクチンを接種した人が亡くなったという情報が流れていたからです。
接種を拒否するだけでなく、そんなワクチンの接種を促す我々に対して不信感を抱く人も多くいました。
その状況下でのやり取りにただ圧倒されてしまった記憶があります。
ですが今回、人々の反応は全く違うものでした。
『コロナのワクチンだ』と伝えると、笑いながら拒否したり、『私は〇〇(郷土料理)を食べているからコロナにならないよ』などと冗談を言う人もいたのです。
ワクチンを拒否されていることには変わりないのですが、前回までにはなかった反応であり、話を聞いてもらえる雰囲気の違いに大変驚きました。
中には根気強く話をすることで理解を得られ、接種に至る人もいました。
↑ワクチン接種の様子
withコロナの社会が進むにつれ、人々の価値観や風潮も変化し、また情報リテラシーが高まることで新たな感染症に対して人々の理解が深まっていくのだと身をもって学ぶ機会となりました。
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木下隊員の1ページはいかがでしたか。
写真を見て、私の任地でも同じようなベストを着て歩いている人を見かけたような気がしました。1日中歩きながらの活動は大変そうですが、接種を希望する人、しない人の声をこうして直接聞ける機会になっていると感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
手洗い、うがいにマスクで引き続き感染症対策をしつつ活動に励みたいと思います。
Bonne journée (よい1日を)
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