JICA海外協力隊の世界日記

チェケ チェケ ホンジュラス

動き出した思春期プロジェクト

ユニセフ子ども白書2014によれば、ホンジュラスの妊産婦死亡率は10万人あたり100、同調査による日本の数値が10万人あたり5ということを付け加えると、ホンジュラスの妊産婦死亡率がいかに高いものであるかご理解いただけるかと思います。

ホンジュラスに来て衝撃を受けたのは、思春期の妊婦が本当にたくさんいるということ。ここホンジュラスでは「14歳の母」は稀ではありません。その中には望まない妊娠もあれば、赤ちゃんが欲しかったという人もいて一概には評価できません。また、望んだ妊娠であったとしても、彼らが責任をもって子どもを育てていけるのか、周囲のサポート体制や経済基盤はどうなっているのかというところまで考え始めると泥沼にはまっていくばかりですが、それでも母子ともにリスクの高いものであるということには違いありません。

ホンジュラスの全妊婦に占める思春期妊娠の割合は24%、さらに配属先のエルパライソ県は全妊婦に占める思春期妊婦の割合は33%(なんと3人に1人)!このことが、ホンジュラスの妊産婦死亡率を高くしている要因の一つであることは言うまでもありません。

そこで、活動の柱を「思春期予防活動」としているわけです。ちょうどわたしが赴任した頃、思春期を対象とした活動を展開しようとする動きがあり、担当の看護師と一緒に思春期チームを立ち上げてここまで来ました。たびたびブログに登場する「両親学級」も思春期プロジェクトの一つです。また、県内で徐々に高まってきている思春期予防活動の動きを支援するため、思春期世代を対象とした意識調査を計画しています。

先日、ダンリ市役所、県保健事務所、NGO同席のもと調印式が行われしました。ついに動き出す思春期プロジェクト!大きな柱は「思春期クリニック」を開設することで、活動スペースができたり、思春期妊婦対象のクリニック、心理相談等々、思春期世代の保健サービスが向上する予定です。完成はいつなのでしょうか…職場の誰に聞いてもわからないという状況ですが、これもゆっくりとホンジュラスペースで進んでいくことでしょう。

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