サバーイサバーイlaos日記(大竹隊員は帰国しました)

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大竹 恵実
栃木県

タイプ/職種
青年海外協力隊
助産師
派遣国
アジア
ラオス ヴィエンチャン市特別市
一言メッセージ
看護師3年、助産師5年の経験の後、青年海外協力隊としてラオスにやってきました。日本の医療との違いに衝撃の連続でしたが、ラオスの良いところに目を向け、“助産”というものを見直す良いきっかけとなっています。

 

ラオスの伝統文化バーシースークワン

2019.06.22

人 文化 活動

2年間の活動を終え、帰国するにあたり、職場と慣れ親しんだ村でラオスの伝統儀式バーシースークワンを執り行ってもらいました。

ラオスでは、人間の身体の中には32個の魂(精霊=クワン)が宿っており、この32個の魂には、体の目や鼻、口、心など体の場所それぞれに魂が宿っているといわれています。

この魂が体内にあるときは幸せに過ごすことができるのですが、体外に魂が出てしまうと不幸なことが起こると信じられています。その魂が出やすい時期が、誕生・入学・結婚・旅立ちなどの節目で、その魂を呼び戻すための儀式がバーシースークワンという儀式というそうです。糸を手首に巻きながら、相手への想いや願いを込めて、糸を巻いていきます。その糸は3日間は外してはいけないとも言われています。

病院での生まれたての小さな赤ちゃんの手首に糸が巻かれていることがありますが、これは誕生後に魂が出ていきやすい時期なのでそのために、家族が赤ちゃんの誕生と幸せを願い、思いを込めて巻いています。

バーシースークワンでは、基本的には祈祷師の方がお祈りをします。

また中央に飾られた特有の飾りはパークワンといい、たくさんのお花や葉で飾られており、中央からは放射線状に糸がでています。バーシースークワンの最初の儀式に、みんなで魂を繋げるために、このパークワンから出ている糸を握ります。糸に触れられない人は、糸を握っている人にそっと手を差し出し触れ、魂を繋ぎます。そして、このパークワンは病院のスタッフが作ってくれました。パークワンの下には縁起がよいとされる卵、蒸し鶏、果物、お菓子などが供えられています。事前の準備から何から病院スタッフが行ってくれてありがたかったです。

今回の、バーシースークワンを執り行ってもらう前に2年間の活動報告をさせてもらいました。これは、カウンターパートからの提案でした。提案されたときは、内心、人前で話すのが正直得意ではなく、小まめな報告会なども行ってこなかったため、報告会を行うのは躊躇しました。そして、オールラオ語でのスライド作りと説明。ちゃんと伝わるか、理解してもらえるか不安でした。しかし、当日、いつもは人前で緊張してしまうのですが、今回はバーシースークワン効果なのか(魂が繋がったのか?)緊張せずに、活動内容や、思いを伝えることができました。また、仲良し隊員がバーシースークワンのため訪ねてくれ、一緒に発表準備なども手伝ってもらい緊張もほぐれました。聞いてくれるみんなの表情が良く見え、報告会もやってよかったと心から思いました。
2年間の活動内容を配属先の母子保健課のスタッフは知っていても、他の部署のスタッフは私が何をしているのか、実際には知らないことも多いのが現状でした。今回、病院全体での発表を通して、私の取り組んだ活動、そしてスタッフと今まで行ってきたことの紹介・フィードバックできるいい機会になりました。また、配属先で継続してしてほしいことなど、常日頃から口うるさくは言っていましたが、このように正式な場で、そして院長などもいる場で話せたことは、私の帰国後の継続力に繋がるきっかけにもなるのではないかと感じました。
私の配属先では後任助産師を現在要請中です。このように発表を行うことで、JICA海外協力隊ってどんな存在なのか?何を支援するのかという理解に繋がり、後任JICA海外協力隊の方が少しでも活動しやすい土壌つくりができればと考えました。
そんな思いも、実は私はここパークグム郡病院の5代目JOCVだからです。今までの先輩の活動の成果や関係性作り、職場からのJICA青年海外協力隊への信頼という土壌があり、スタッフの協力を得てこの2年活動できてきたと感じていました。そんな先輩方の見えない後ろ姿を感じ、過ごしてきた私は、後任に入る予定の方にも微力ながらいいアシストになればいいなと感じました。

こんな風に締めくくる2年間ですが、振り返ってみると、2年間の活動は決して平坦なものではなく、いばらの道でした。自分で選択し、進んだ道なのに、どうしてここにきてしまったんだろうと呪ったこともありました(笑)。

でも、そんな思いを乗り越え、今はここラオスの地で二年間JICA海外協力隊として現地に根を張り活動できたことを誇りに思います。しかし、これは決して私一人の力では成し得なかったということも強く感じます。

いつも前向きにどんなことにも、へこたれず、厳しい途上国の医療現場で戦っているラオス人現地の病院スタッフ。

いつも挨拶すると笑顔を見せてくれ、おせっかいがすぎると思う時もあるくらい他人思いのラオスの国の人々。

助産師として、ここに居ていいんだと思わせてくれた妊産婦さんと赤ちゃん。

どんな時も変わらず、温かく、そして的確な意見をくれる(基本年齢層の高めの安定感集団(笑))同期のみんな。

色んなことを教えてくれた先を歩いてきたJOCVの先輩そして、多彩なJOCVの後輩隊員たち。

そして、どんなときも私の味方でいてくれたJICA調整員さん。

いつも温かく見守りサポートしてくださったJICAラオス事務所所長はじめ職員の皆さま。

周りの皆さんに支えられて、2年間過ごせたと思い感謝の思いでいっぱいです。

こんな思いを持ちながら、今私が思うのは、国際協力が、この2年で終わりではなく、これからスタートラインに立ったのだということです。

国際協力の道に足を踏み入れ、自分には向いていないのではないかと何度も悩みくじけました。でも、何度も悩み、くじけた時に救ってくれたのは私に関わってくれた全ての人であり、国際協力に携わる人であり、また、現地のラオスの人でした。

おそらく帰国後は日本の病院で勤務する予定です。

しかし、自分らしく何十年かかってもいいのでいつか何かの形でラオスの地に何か恩返したいなと考えています。それは、どんな形かは未確定なところも多いのですが、細くでもいいので、長くラオスに関わることではないかと思っています。

最後に、私に関わってくれた、みなさん、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。