JICA海外協力隊の世界日記

大きいブラジルの小さい街から通信

君が代♪

 ツパン日本語学校附属ひかる幼稚園では、毎回、君が代を歌います。

 当初、私は、こうやって日本の文化や伝統がひきつがれているんだと思っていました。

 ひかる幼稚園を設立した先生とは、時々、話をします。写真は、先日、一緒に夕飯を食べに行った時のものです。

 料理があるとき写真を撮ればいいのに、食べることとしゃべることに夢中になり、写真を撮る余裕がでたのは、すべてを食べ終えてからでした(笑)。

 以前、この先生に「毎回、幼稚園で君が代を歌うようにしたのはなぜ?」ときくと、私が想像していた伝統だから云々とは違う答えが返ってきました。

 その返答とは、ブラジルでは、子どもたちは普段の生活の中でもブラジル国歌を歌っている。日本の国歌もそうなればいいと思ったというニュアンスの内容でした。

  つまり、もちろん自分たちのルーツである日本を意識してはいるけれど、導入したきっかけはブラジル文化からで、その考えに歩み寄っての「君が代」歌唱だったのです。その話をきいて、そうやって、日系文化が作られていくんだと納得させられました。

 今日も、子どもたちは、大きな声で「君が代」を歌っています。その瞬間だけではなく、授業中も、突然、歌いだしたりもします。

 もちろん、あらゆる場や経験を通して、そして、日々の先生の指導から、国歌に対する敬意は培われていきます。それでも、彼らにとって、「君が代」はよくきく歌の一曲であることに違いはありません。

 日系人なのだからとか、日系団体で学んでいるのだからではなく、国歌も歌という考え方に、私の頭の中で凝り固まった「伝統」という言葉が、すこし柔軟性をもった言葉に変化した気がしました。

 

 

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