JICA海外協力隊の世界日記

大きいブラジルの小さい街から通信

別れの日まで

 今日は、ツパンを去る日まで残り一週間から旅立つ日までのお話です。

 写真上段と下段は、仕事合間に別れのあいさつに行ったり、お世話になった人と一緒に食事に行ったりしたときのものです。

 「息子が柔道をしていたんだけどね・・」そんな雑談を通して知り合った柔道の先生、柔道部の保護者へ日本語学校の体験カードを配る折には大変お世話になりました。

 日系高齢者クラスの生徒さんご夫妻、彼女が俳句を勉強したいといってくれたおかげで、私もにわか俳人になることができました。

 幼稚園の先生の娘さん、一緒にライブに行ったり、トレンジーニョ(市内を循環する電飾バス)に乗ったり、楽しいことにたくさん付き合ってくれました。

 私が踊りで舞台に立つ度に髪の毛を結ってくれた美容院の先生、先生は私の髪の毛を結いながら、ご自分のライフヒストリーを聞かせてくださいました。

 日本語学校附属幼稚園を立ち上げた初代の幼稚園の先生、今ではカラオケ指導の一人者です。「カラオケ歌ってる時、誰も悪いこと考えないでしょ。だからカラオケ大好きなの。」名言です。私の活動の話もたくさん聞いてくださいました。

 学校の父兄や関係者のご家族、学校行事以外の場でも、いつも気が付くと手伝ってくれていました。

 そして写真中段です。私の送別会をみんなで開いてくれました。会場は日系団体ツパン文化体育協会の会館です。ブラジル国歌をみんなに歌ってもらいました。その間、ひとりひとりとabraço(抱き合うあいさつ)でお別れしました。

 私はたくさんの人たちに支えられて2年間の活動を終えることができました。感謝の一週間でした。

 名前すら知らなかったブラジルの小さな町ツパン、今では、今の日本に住む日本人で一番ツパンのことを知っているのは私だと自負しています。

 ついにツパンから出発する日がきました。こちら最後の朝食です。

 この日のメニューは、ツパンコーヒーとfeira(路上市)で買ったオレンジを絞ったジュース、ブラジルの朝食に欠かせない小型フランスパン。このフランスパンは日本のものより皮はやわらかいです。ハムとチーズを挟んで食べることが多かったですが、もう冷蔵庫はほとんど空だったので、この日はフランスパンだけで食べました。そして、ルッコラに甘口バルサミコソースをかけたサラダ。日本では飾り?と思う程度の少量でしかお目にかからなかったルッコラですが、こちらに来てルッコラのサラダにはまりました。

 このメニューの日本での再現は難しいかもしれませんね。

 様々な思い出がつまった部屋を、大きなスーツケース3つとリオ・デ・ジャネイロのカーニバルに参加した時の衣装を入れた段ボールとともに後にしました。

 途中、ツパンの名産ピーナッツの畑でお別れの記念撮影。横では牛たちも見送ってくれました。

 2年前の着任時通った道を逆に向かって走りながら、車はツパンから2時間ほどの町プレシデンテ・プルデンチの空港に到着しました。

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します