2016/04/15 Fri
活動
インタープリテーションってなんだろう
みなさまご無沙汰しております。
ペルーで過ごす最後の夏に、少し名残惜しさを感じている尾崎です。
こんにちは。
今回は、私が自然保護区という場所で環境教育活動をする上で、
大切にしていることを紹介します。みなさまと共有させてください。
大切にしていること。それは、「インタープリテーション」
日本国内でもあまり馴染みのない言葉かもしれません。
一般的には、「通訳/解説」などと訳されますが、
「自然・遺産を通訳する」という意味合いも持っています。
自然・文化・歴史(遺産)を分かり易く人々に伝えること。
自然についての知識そのものを伝えるだけではなく、
その裏側にある「メッセージ」を伝える行為・活動のことをいいます。
私の任地においては、この「インタープリテーション」を心がけて活動していくことが大切だと思っています。
例えば、保護区内の生物を解説する場合。その生物の名前、色、大きさなどの情報をただ伝えるのではなく、他の生物との関係性、人との繋がり、生態系での位置づけなど。参加者は、その生物の背後にある物語を知ることで、さらに興味を抱き、その大切さに気付くかもしれません。インタープリテーションの目的はただ伝えるだけではありません。しっかりとメッセージが伝わり、人々の日常に落とし込まれ、行動に移してもらうことが真の目的です。そのように伝える技術がインタープリテーションであり、橋渡し役となる人が「インタープリター」と呼ばれています。
現在、世界の自然体験活動、エコツアー、環境教育、ビジターセンター、博物館において、インタープリテーションが広く活用されており、インタープリターが活躍しています。
多くの人が「インタープリター」について、様々に定義しています。
「人々がそれまで予想だにしなかった新しく魅惑的な世界にたやすく導く人」
「自らの感性を媒介にしてメッセージを伝える人」
「自分の感受性を表現し、他の人にうまく伝える能力が必要」
「自然の言葉を人間の言葉に翻訳する“森の通訳”=“森の案内人”」
「自然と人との橋渡し役。その時その場所の自然が発するメッセージを、参加者にわかりやすく伝える専門家」
こういうことができる人って、とても素敵な人だなと思います。
そんな「インタープリター」になれるように、
残りの任期を過ごしていきたいと思います。
みなさまももしどこかで、
インタープリテーションという言葉を聞いたら、
この記事を思い出しながら、ぜひ自然の声に耳を傾けてみてください。
では。
おざき
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