JICA海外協力隊の世界日記

ペルー国立自然保護区での2年間

環境教育活動

こんにちは。

今回は、任地での活動を紹介します。

私は、パラカス自然保護区にて「環境教育」という職種で活動をしています。

実際に働いてみて、「大自然のなかで働けるなんて幸せだな」と思う反面、「環境教育活動って、繊細でムズカシイ…」と、感じることもしばしばです。

私が派遣される前の調査では、

配属先は以下のような要望を上げていました。

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この事務所での環境教育活動は、保護区内の学校だけでなく、市中心部の大学生や小中学生、また保護区を訪れる観光客も対象に行っている。扱うテーマは、自然保護区の意義や役割、水生生物や海鳥の保護のほか、気候変動やゴミ処理問題など、また伝統的漁法で漁を営む地域漁民への水生動物保護や海岸汚染防止に関する啓発活動な重要な業務として実施中。ボランティアには、配属先スタッフが行っている住民啓発、環境教育の内容及び教材、手法の改善や、新たな教材、手法の導入、ささらに関係機関との連携等、より効果的な環境教育実施のための支援が期待されている。(「要請理由・背景」ボランティア要請書より抜粋)

――――――――――――

要するに、

「青少年・観光客・漁民を対象に」、「自然保護区の意義・役割を伝える環境教育活動の手伝いをしてほしい」とのこと。

派遣初日から現在まで、この要請に基づいて活動をしています。

具体的にどのような活動をしてきたのかというと、

・小学校での環境教育活動(講義やゲームなど、月に1度。対象校は3校5クラス)

・イベントへのブース出展(保護区の紹介)

・環境問題に関する普及啓発パネルの作成(毎月テーマを変更)

・生き物をテーマにした、ぬりえ・折り紙教室

・環境問題をテーマとした人形劇

・保護区内にて、生き物についての解説

基本的に同僚(環境教育担当)が主体となり、

私は補佐をする体制で、活動を進めています。

活動して感じること、思うこと。

日本でも、人前にたつ経験がほとんどなかった私にとって、

大勢の子供を相手に、ものを伝えることは大きなプレッシャーに感じました。

しかも、拙いスペイン語で。

というのも、

「環境教育」を実施するにあたって、心掛けたいことの一つに、

「気づきを促す言葉づかい」があるからです。

(なぜ環境教育で「気づき」が大事なのかは、また別の記事で述べたいと思います。)

何が言いたいかというと、この活動で大事なのは、

相手との「会話のキャッチボール」だと私は思っています。

授業をしているとき、

本当は子供たち全員と丁寧に会話をしたいのですが、

まだ相手の言葉が100%理解できない、どう答えたらいいのかがわからない、と足踏みしている間にキャッチボールが続かなくなってしまうのです。

語学力の不足が原因なのは重々承知なのですが、やり取りにもどかしさを感じ、「活動って、繊細でムズカシイ」と思いました。

言葉って大事だなと思います。

現在進行中の活動で、私が一番好きなのは、

「保護区内での生き物解説」です。

小人数のグループとコミュニケーションを取りながらの活動です。

浜辺の観察ポイントに立ち、観光客に対して生き物の解説を行っています。

双眼鏡でよく観察してもらいながら、「何が見えますか?」、「何をしていますか?」などの問いかけをしながら、3~4人のグループや、時には一人の相手に20分以上も話しています。

できるだけ多くの人に伝えるという視点から見れば、地道な活動で、効率が悪いかも知れませんが、私はこの活動が好きです。

この2年間でどれだけ多くの人に、自然保護区の意義や役割、価値を伝えられるのか分かりませんが、

地道に続けていきたいと思います。

おざき

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