JICA海外協力隊の世界日記

ペルー国立自然保護区での2年間

パラカス国立自然保護区(Reserva Nacional de Paracas)

こんにちは。

今回は私の配属先「パラカス国立自然保護区」について紹介します。

パラカス自然保護区は、

約33万5000ヘクタールの海洋域と沿岸砂漠から成っています。

1975年に自然保護区として政府が制定。現在まで、SERNANP(セルナンプ)が管理しています。また、1992年には、渡鳥と湿地に関する国際条約「ラムサール条約」に、国内第一号として登録されました。

その地域に生息している野生生物と、それらを取り囲む生態系を保全することが、この保護区の目的です。

さて、ここでひとつ質問です。

海といえば、「青色」をイメージするかと思いますが、

保護区を含むこの付近の海は、美しい「ミドリ色」をしています。

なぜ、青ではなくミドリ色なのでしょうか。

答えは、海面を漂う植物プランクトンにあります。

植物プランクトンは植物の一種で、

葉緑体をもっているため体はミドリ色。

そんな彼らが海面を無数に漂っているため、ミドリ色に見えるのです。

そして、この植物プランクトンは海をミドリ色にするだけでなく、

保護区の生態系を支える、とてもとても大切な役割も担っているのです。

たくさんの植物プランクトンがいるということは、

植物プランクトンを食べる動物プランクトンが集まり、

動物プランクトンを食べる魚たちが集まり、

魚類を食べるアシカやペンギンたちが集まる。

海洋における食物連鎖の基礎になっているのです。

この保護区の海域には、168種の魚類、194種の貝類、30種以上の哺乳類が生息しています。この多様な野生生物の生活を支えているのは、植物プランクトンのおかげといっても過言ではないほど、大切な役割を担っているのです。

そして、ここに生きる野生生物にとって、

この保護区は大切な場所であり、彼らの「家」そのものです。

そんな彼らの「家」を、

私たち職員は365日24時間体制で監視をしています。

保護区を利用する漁師や観光客に、なにか問題がないか、

保護区内で異常事態が起こっていないか、を私たちは監視しています。

他にも、毎月の生態調査や、地域住民とのコミュニケーションを日々の業務としています。

具体的にどのような仕事をしているかは、次回紹介します。

ここにきて10か月が経ちました。

私はもうすっかりこの保護区のファンになっています。大好きです。

たった2年間でこの保護区の全部を知ることなんて到底できませんが、

勉強して勉強しまくりたいと思います。

パラカス自然保護区を一番理解している日本人として、

魅力や素晴らしさを発信していきたいと思います。

おざき

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