2016/02/19 Fri
活動
5S 相互評価会


今までに実施した5S活動を、紹介させて頂きたいと思います。
始めに計画した5S活動は、≪5S相互評価会≫でした。
活動開始時の現状は、
前任のボランティアが、パイロット施設を決めて、5Sの研修・導入を行っていました。
そのためか、現場のスタッフからは、「もう5Sの研修は受けたし、私達完璧!5Sは終わったから、もう必要はない。」と言った声が多く聞かれ、5Sに対するモチベーションがほとんど感じられませんでした。
しかし、私が施設を訪ねると、「他の施設とうちの施設どっちがいい?他の写真とかないの?見せて!」と、他施設を意識している印象がありました。
現場の5Sの実際は、中心部にある1カ所の施設だけは5Sが継続されていましたが、他の施設では全く5Sが維持されておらず、こんな日本とは大きく違う医療現場の環境にびっくりしました。
これが、赴任したころの施設の写真です。


そこで、私の5S活動の初めの目標として、
〇現場スタッフのプライドを傷つけずに、5Sができていないことを気付いてもらう。
〇どのように改善する必要があるか、もう一度5Sについて正しい知識を持ってもらう。
〇5S活動へのモチベーションをもってもらう。
の3点をあげました。
そして、目標達成のために、県保健支局の医局長・パイロット施設4カ所の施設長と共に、5S評価委員会をつくり、皆で4カ所の施設を周り、お互いの5Sを見て評価しあうという、『5S相互評価会』を実施しました。
これは、赴任前に働いていた日本の5S委員会の活動を参考にしました。
実施したいと思ってから、企画書を作り、県保健支局やパイロット施設に営業のように周り、実施を納得してもらうまで1か月。
そして計画していた日は、突然主要スタッフの休暇や、交通手段の問題で何度も何度も延期になり、実際に実施できるまで2か月近くかかりました。
予定通りに進まないのは、途上国によくあることですね!


その準備のかいあってか、当日は、5Sの実施についてはもちろん、それだけではなく、県の医療サービスの問題点にいたるまで、色々な意見交換がされていました。
自分の施設にはない他の施設の工夫点については、積極的に質問をしたり、現場にもちかえるために写真を撮り合ったり、良いところを共有してくれていました。
モロッコの保健施設の特徴として、病院の病棟間や、保健センター同士の横のつながりがほとんどないことがあげられると思います。
今回の評価会の成果のひとつとして、他施設の様子を見あい、意見交換をするよい機会になったのではないかと思います。
こうしたつながり・連携を続けていくことで、県の医療サービスの全体の向上につながっていってくれたらいいな、と評価会を実施しながら思いました。
そして、頑張っている施設を見ることで、自分達の施設の5Sが完璧でなかったことに気づき、同時に、競争心が煽られて、『自分達にもできる、負けたくない』という5S活動へのモチベーションアップのきっかけにつなげられたと思います。
この評価会の成果を上手に活かせるような、次の活動に…
また次のブログで紹介させてもらいます!
※5Sとは職場環境の改善に関する5つのキーワードの頭のイニシャルがSであることから名づけられたものです。つまり、整理・整頓・清掃で綺麗で整った働きやすい環境を作り、清潔・しつけでその整った環境を維持し継続できるようにします。
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