JICA海外協力隊の世界日記

ゆっくりのんびり、一歩ずつ

パンナギス村生活

こんにちは。

前回に引き続き、柚香さんにパンナギス村の生活を紹介してもらいます。

(※ご本人のご協力をいただいて、掲載させていただいております。)

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2018年度4次隊
河原柚香(看護師)
任地:バヌアツ共和国 エファテ島 パンナギス村
配属先:サウピアヘルスセンター

私の家はヘルスセンターの敷地内にある2LKのスタッフ用の家です。

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【ライフライン】
電気は通ってますが、大雨が降った日にはメーターが漏電してブレーカーが落ちたり、昼間はメンテナンスのためか3~5時間程度止まることが月に1~2回あります。
家にコンセントは1つだけ。
なのでうちにある家電は冷蔵庫とケトル、その2つだけです。
ガスはプロパンガスを首都で購入し、ガスコンロに繋いで使っています。
外には共用のファイアーウッドキッチンもあって、薪で火を起こして調理することもできます。
水道は川の水を直接引いていて、濁ることはあんまり無いけど、よく見ると細かい砂のようなものが混じっていたり…
でも、匂いもなく今のところ特に困っていないです。
川の水は一旦大きなタンクに貯め、そこから各家庭に降りてくる仕組みで、1日1回そのポンプを入れないといけないのに、いつも断水してから気づいてポンプのスイッチを入れるため、そこから1時間半後くらいしてやっと水が出るようになるといった感じ。
またこの水は飲食には適さないため、飲水はレインタンク(雨水)、調理用水は地下タンクから汲み上げて使用しています。

インターネットは2G~3G。LINEのやり取りはできるし、私はYouTubeとかは見ないので、ネット速度は特に困っていません。
海辺に行けばなぜか4Gが拾えるので、必要な時は海辺に行って電波を拾っています。

【家事】
洗濯はもちろん手洗い。湿度は高いけど、日差しも風も強いためすぐに乾きます。
洗濯するのが好きなのとカビが生える恐怖心から、週末はいろんなものを洗濯したり、マットレスを天日干しにしたりしています。
村にはスーパーやマーケットがなく、キヨスクのような売店があるのみ。
そこで買えるのは缶詰やスナック、調味料、日用品くらいです。
なので、2週間に1回首都に行って大量の食材を買い込み、それでやりくりしています。
同僚やファミリーがフルーツやバヌアツ料理などを家に持ってきてくれることもあります。
お返しに日本食やお菓子を作って、みんなに振る舞うことも。
キャッサバで作ったコロッケが一番好評だったかな。

(写真4 バヌアツ料理)

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【村人の生活】
ガスがある家庭もありますが、薪で火を起こして調理する人が多いです。
水道がない所では、地面に穴を掘って水を汲み上げたり、レインタンクの水を使ったりしているようです。
電気が通っていないところでは、ソーラーパネルを設置して携帯電話を充電したりしています。
村人の多くは畑を持っていてほぼ自給自足。
お肉などはあまり買えず、缶詰のツナやサバ、コンビーフなどを使っていることが多いです。
お祝いのときは、野生の鶏や飼っている牛などを屠殺して調理することもあります。

(写真5:アボカド)

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【村生活の醍醐味】

必要最低限で過ごす毎日。

暮らし始めた頃は、夜にネズミが出て、泣きながら友達に連絡したこともあったけど、家中の穴を塞いだところ出なくなりました。
ムカデの退治もスムーズにできるようになったりと、日本ではハエすら殺せなかった私でもだいぶ強くなりました。笑

村人たちは時間にゆとりがあり、お金がなくても自給自足で暮らしています。
そして家族の時間をすごく大切にしています。

日本から見ると、すごく手間のかかる生活ではあるけれど、時間がある暮らしにはこれくらいの不便さが心地いいのかなぁと思ったり。

そして人間が生きるためにたくさんの犠牲を生んでいる消費社会、そのしわ寄せはどこに来るのか。そんなことを考えるきっかけにもなりました。

毎日毎日暇を持て余していたけれど、村を歩けば村人が話しかけてくれるし、気づけば子どもたちに囲まれる。

海が綺麗で、波の音を聞きながら夕日が海に沈んでいくのを眺めるのが好きで、ストレスが溜まった時やリフレッシュしたいときにはよく海辺に行って癒されています。

至る所にマンゴー、パパイヤ、バナナ、アボカドなどたくさんのフルーツに囲まれて旬を味わうこともできる。バヌアツで過ごす時間は本当に贅沢で、貴重な体験です。

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(文と写真:河原柚香さん)


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私も4回ほどパンナギス村を訪問させていただきました!(首都からバスで1時間ほど)

海が穏やかで、しかも遠浅で、どこまでも歩いて行けるのではと思った程です。

首都在住ゆえに、村生活が羨ましく感じる時もありました。

しかし村にたった1人の日本人、周りは村人だけ。

思ったことを自分の母語で伝えられないもどかしさ、仕事や生活での感覚の違いによる辛さ等は私の想像に及ばないことも数多くあったと思います。

でも柚香さんは、村人とのコミュニケーションを絶やさず、明るく向き合っていた印象があります。

「週末はパンを焼いてみたよ~!」

「バナナ、ブッシュキッチン(屋外の台所)の灰の中で焼いてみたら、焼き芋みたいで美味しかった!」

柚香さんのチャレンジ精神には、いつも驚かされます。

そして、自分もまだまだできることあるのでは?と元気をもらっていました。

パンナギス村の紹介はひとまずここまで。

柚香さん、素敵な記事をありがとうございました!

次回は、バヌアツの嗜好飲料であるカバに詳しい隊員さんに、その魅力を語っていただきます。

また前々回の投稿で予告していたタンナ島の紹介も、次の次の回でカバの紹介と共にお送りする予定です。

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