JICA海外協力隊の世界日記

ゆっくりのんびり、一歩ずつ

ひまわりだより 前編

(バヌアツ保健省の現地の職場仲間と一緒にaelan dress を着て)

こんにちは。

バヌアツ隊員さん紹介 第3シリーズです。

今回は、今年1月から赴任された隊員さんがご自身の活動やバヌアツに来て感じたことについて紹介してくれます♪

※ご本人のご協力により、掲載させていただいております。

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私は誰?

Nem blong mi Himawari, yu save kolem mi Hima!
(私の名前はひまわりです、ひまって呼んでください!)

氏名:西田ひまわり

隊次:2019年度9次隊 (短期)
職種:感染症・エイズ対策
要請内容の主な目標:顧みられない熱帯病(主にヨウズ)の患者数を減らす
(「顧みられない熱帯病 (NTDs = Neglected Tropical Diseases)」とは熱帯地域、貧困層で流行し、10億人以上の人を苦しませている様々な種類の感染症の事です。ヨウズ、狂犬病、ハンセン病、デング熱などが含まれています。)

去年の7月、大学卒業と同時に10年の英国留学生活も終了し
世界保健機関(WHO)で働きたい夢と顧みられない熱帯病への興味から協力隊に応募、
今年の1月下旬にバヌアツに派遣されました。

案件を見るまでは「バヌアツ」という国の名前すら知りませんでしたが
派遣されて二カ月が過ぎた頃には、道ですれ違ったり、バスで一緒になったりするNi-Van (バヌアツ人)と楽しく会話ができるようになっていました。
これから!という時に、コロナの影響で一時帰国したところです。

JICAドミトリーから引っ越し、一人暮らしが始まって二週間でしたが、ゆりさんとはお隣り同士で、一緒にえびせんを作り、果物を分け合って楽しく過ごしていました。
今回ゆりさんの世界日記に二本立てで私のバヌアツ暮らしも紹介させていただきます。

(JOCV四人組、お揃いのWasem「洗おう」Tシャツを着て)

バヌアツで何をやっているの?

私はポートビラ(バヌアツの首都)にある保健省のNTDs課にてNi-Van2名、
現地在籍のWHOに属しているマレーシア人1名、
そしてグループ要請だった為他の協力隊員3名と共に活動を行っていました。

ヨウズ(Yaws:イチゴ腫)という感染症は細菌が引き起こす皮膚病です。
抗生剤を飲めばすぐに治り、普段から石鹸を使って手・顔・体・衣服を洗い、傷口を塞いでいれば防ぐ事のできる病気です。
しかし放置すると骨をむしばみ、顔・体が変形してしまいます。
また、バヌアツでは一つの家・地域に大勢の人が密集して住んでいることが多いです。
ヨウズは皮膚への直接的な接触や他人との衣服の交換から感染するため、傷口をそのまま放置したり、手洗いをしなかったりするとすぐに感染が拡大してしまいます。

私が二か月間行った主な活動;
1.「世界NTDsデー」を記念して行った3つの地域での啓発・調査活動

2.昨年のデータを元に、ヨウズ感染者数を減らしたいターゲット地域の選定

3.4つの州に発送するNTDs教育・予防活動に必要な物資の準備

4.保健省の他の課、バヌアツに入っている保健系NGO団体、バヌアツの看護師さんやヘルスワーカーに対してのワークショップの実施とそれらに必要な資料作成

(ワークショップ3日目のグループワーク説明の様子)

一番印象に残った活動は?

一番印象に残った活動は、ナショナルワークショップです。

このワークショップは、私達NTDs課が初めて実施した講習会で、バヌアツ全土で保健に携わっている団体や個人、州の代表者を対象に3日間行いました…。

ワークショップ3日目の朝、会場に着くなりカウンターパートからその日の午後に使用するグループワークを考えて欲しいと頼まれました。
そのグループワークの目的は、NTDs課と他の部署・団体との共同活動の促進です。
最初の2日間、参加者はそれぞれ自分の属する団体や地域別に集まって座っていました。
そこで、私達のグループワークでは参加者にばらばらに座ってもらい、意見交換をしてもらおうと考えました。
ところが、ここで試練に直面しました。
番号を1人1人に振りわけ、それぞれの番号同士で集まってもらいたかったのですが、参加者は番号を忘れてしまったり、仲の良い人同士で集まったり、グループ分け自体に10分以上もかかりました。
この時、「グループ分けは誰でもわかる」という自分が考えている当たり前をそのまま通用させようとしていたことに気づかされました。
また、その後の説明も上手く伝わらず、参加者の理解度が低いままグループワークが始まってしまいました。
しかし、始まってみると、沢山の質問や意見が飛び交い、彼らなりにグループワークを理解していること、あるいは理解しようとしてくれていることが分かりました。
思った通りにグループワークは進みませんでしたが、当たり前と思っていたことが他人にとっては当たり前ではないということを気づかせてくれました。
私達の説明が分かりにくいにも関わらず、頑張って理解しようと色々な意見を出してくれたNi-Vanに感謝するとともに、私自身はいち早く自分のビスラマ語を上達させ、NTDs課と他の機関の連携を取っていきたいと思いました。

(文と写真:西田ひまわりさん)

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私はバヌアツに来てから1年が経ち、色々なことが分かるにつれて、良くも悪くも環境に慣れてしまった部分がありました。

「これは難しいよね。」「言っても分かんないか。」「みんなでやるのは大変だよね。」

もちろん、相手の負担になるものやバヌアツの文化に合わない提案などは極力避けようと思っていますが、いつしか活動に対して諦めの気持ちを抱く時もありました。

環境や文化が違うから、考えや価値観が異なったり、ぶつかったりするのは当たり前。

異文化を理解しようとすることは忘れずに、それでも自分の考えやアイディアを相手に伝え続ける「くじけない心」が、私のこれからの目標かなぁと、ひまわりさんの記事を読んで思いました。

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