2023/09/07 Thu
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謎解きから始まったDikhwaere(Botswana Cultural Music)
楽譜がもらえると思ったら、渡されたのはこの謎の紙を10枚以上!さて、横に読んでいくのか。。。縦に読んでいくのか。。。
なぞなぞなぞ~!
と思っていたら、これが楽譜だったのです。手書き~アフリ感!!
Dikhwaere(ディクワエレ)は、ボツワナでよくイベントで見かけるのですが、歌いながら、ステップや手拍子や笛だけで、音楽を作ります。ゴスペルのようですが、リズムがゴスペルとは全く違う、独特のリズムがあり、コーラスがとてもきれいで、聞いていて心地よくなる音楽です。(興味がある方は『Dikhwaere tsa Botswana』と調べると動画が出てくるのでどんな感じのものかがわかると思います。)
練習初日、ソプラノ、アルト、テナー、ベースと4つに分かれるのですが、どのパートがいいと聞かれても、楽譜が読めないので、誘ってもらったソプラノで練習しました。
練習しながら、だんだん謎が解けてきました。dはド、rはレ、fはファ、Sはソ、らはSを逆にしたような記号ってのを解読。音の長さはーで表していて、でも手書きなので、長さが均一でなく私にとっては、伸ばす長さがわからず、頭の中は常に?がいっぱいでした。ちょっと解読できて、ふと隣のアルトの練習を聞いてると、「ん?音が3つしか出てきてないやん!」と気づいたので、練習1日目にして、アルトに変わる!!と申し出て、アルトパートへ。
このページが解読できた!と思ったら、新しい記号tが出てきたり(これはシでした)、seってのが出てきたり(これは何の音か結局分からず)、次から次へと、新しい記号が出てきて、その音はどんな音なのか、高いのか、低いのか予想もできませんでした。日本でよく見る音符が書いているあの楽譜は一発で音の高さが分かって、次の音が高音なのか低音なのかが分かるし、音の長さも音符の形で分かるし、すごく機能的なんだな~と今さらですが、気づきました。
私は歌が得意というわけでもなく、ツワナ語もなんとなく分かるくらいで、楽譜も読めないし、はじめの1か月くらいは何もできないのび太くん状態。でもツワナ語で歌うのはめっちゃ楽しかったし、何より一緒のパートの人たちが、優しく教えてくれたり、毎回練習に行くのはとても楽しみで、楽しく練習に参加できていたので、続けることができました。練習開始1か月後くらいに、日本でもよく見る楽譜をもらえました。ツワナ語なので、何を指示されてるのかはすべてが分かるわけではなかったけれど、先生はKTMという7月に韓国で行われたコーラスの世界大会で優勝したチームの人が来てくれて、教えてもらっていたので、かなり本格的で、教え方もわかりやすかったのも救いでした。そして、歌なので、雰囲気で、弱く歌ってっと言ってるなとか、こうじゃなくて、こう!みたいに言ってるなとかは何となくわかりました。
しかし、歌詞の意味はほぼわからないので、歌と言っても、(お経を唱えてる感じに似てるかな?)私にとっては、丸暗記状態でした。
8月中旬には、2泊3日のCamp(合宿)もあり、ボツワナ人と初めての雑魚寝も経験しました。40人くらいでCampをしたのですが、同じ部屋には10人くらい一緒に泊まって、薄いマットレスで床に寝ました。ボツワナ人たちは私が寝る時に何も被らずに寝る事にとても驚いていました。確かにみんな帽子や布を巻いて寝ていました。
逆に、私は朝起きたら、部屋の中で、水浴びしはじめたことや、部屋の中で、バケツに用を足すことにびっくりしたけどね!と思いました。前日にバケツ持ってくるように!って言われたバケツはトイレ用だったの?!っていうのが今回の一番の驚きでした!任地の一般家庭ではトイレが外にあり、母屋から30mくらい離れているので、夜は危ないし、考えたら、その方が安全というのが理解できます。
歌は任地のバクウェナ族の部族の長(kgosi)のことを歌った曲で、先日、任地モレポロレのKgosiの前で歌ったり、Dithubarubaという任地のCultural Festivalでは大勢の前で歌を披露しました。
真ん中の白のスーツの方は、わからない部分を教えてくれる優しいおじさんだと思っていたら、この曲を書いた作曲家で1年以内に作った新曲だと教えてくれました。だから初めは手書きの楽譜だったのか~
みんなが来ている青いスカートはBasadi bontlhe(バサディボントレ)という結婚式やイベントなどで既婚者が着るボツワナの伝統衣装!これがユニフォームでスカーフはお揃いです。
本番では、ステップなしで歌う曲の方は落ち着いて歌えました。
ステップしながら、歌う方の曲の練習はあんまりしてないのに、ボツワナ人はお手の物!すぐにできていました。ステップありの曲は難しいけど、楽しいので好きです。なんとか本番は横の人をチラチラ見ながら、ステップも必死に頑張りました。
ツワナ語話者ではない私が、8分以上あるツワナ語の歌を覚えるのは簡単でなく、(英語でも日本語でも8分以上の曲は大変!)直前は毎日練習があり、目をつぶっても頭に曲が流れてきて、眠れなくて大変だったけれど、でも本番歌いきれたときの達成感は、チャレンジしてよかったと思えるものでした。チームに外国人は私一人ですが、チームに入れてくれたこともありがたいし、外国人としてではなく、メンバーとして接してくれて、分からない部分を聞いてくれたり、逆に教えてもらったり、2か月半の練習でお互い助け合える最高の仲間になりました。
楽譜が読めなく謎解きから始まったこの挑戦は、受験勉強並みに本気で取り組んだこともあり、脳みそがオーバーヒートし、高熱が出たこともありましたが、ボツワナ文化のひとつであるDikhwaereが大好きになりました。
次はいつ歌える機会があるのかはわかりませんが、ボツワナでしかできない経験ができて本当に良かった!
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