JICA海外協力隊の世界日記

わたしのセルビア時間

セルビアを代表するお酒、ラキア

Zdravo!

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ズラティボルは先週金曜日に初雪が降り、一面、一気に銀世界になりました。

気温も今週頭には-9度までいき、冬の始まりを感じています。

今回はそんな寒さも吹き飛ばすような、お酒の話をしたいと思います。

セルビアを代表するお酒、みなさん、ご存知ですか?

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「ラキア(Rakija)」です。

ラキアとは、言ってみれば、果物を発酵して作られた、フルーツブランデーのこと。

蒸留酒になるので、アルコール度数は40度前後(それ以上の場合もある)になり、かなり強いお酒になります。(ちなみにブドウから作られるのが通常一般に知られている、ブランデーです。茶褐色をしているのはオークなどの樽を使用したもの)

セルビアはワイン造りも様々なところで行われていますが、私が生活するズラティボルエリアは山なので、残念ながら寒すぎて、ブドウはおそらく糖度が達しないのでしょう。立地的にもワイン造りには適さず、ワイナリーはありません。一方で、フルーツはたくさん採れることもあり、ラキア造りは行われています。

もちろんラキアの大手生産者もいますが、それぞれの家庭で自家製ラキアを作っている人も多いです。ズラティボルの市場や街中のお土産屋では様々な種類のラキアを目にします。

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一番定番なのはプラムから作られるシュリヴォヴィツァ。それ以外にも桃、杏、林檎、梨、桃やマルメロ、フルーツではないですが、蜂蜜やハーブなどから作られるラキアもあります。特にズラティボルは蜂蜜を使用したメドヴァチャも有名です。

ちなみにズラティボル中心から約15kmの所にある、Sljivovica村では2008年から”Rakijada”というラキアのイベントを行っており、セルビアで初の原産地呼称認定を得ている場所でもあります。(ですが、残念ながらコロナがあってからはイベントは開催されていない様子。なので私も参加はできてはいません)

また、ラキアは南スラブ人の文化に根付いていたようで、セルビアのほかブルガリアやマケドニア等、隣国でも広く飲まれています。

セルビアでは基本食事の最初(アペリティフ)から最後まで、ラキアで通す人も多いです。

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また寒い冬場は身体を温める飲み物としても、ラキアは最適。ホットワインならぬ、ホットラキア(vruca rakija/kuvana rakija)も登場します。ホットラキアは、お祭りなど屋外でも販売されたり振舞われ、今年の頭に行ったJablanica村の新年のイベントでは、大きな缶で温め、そこから注がれた熱々ラキアをいただきました。

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通常はラキア用の小さなショットグラス(日本でいうおちょこみたいです)で飲まれています。

個人的にアンティークが好きでベオグラードのアンティークショップに行った際に、いくつか昔のラキアショットグラスとラキアボトルを購入。

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かわいいですよね。丸びをおびたキッチュなデザインもいい。

職場でも誰かのお祝いごとがあるとラキアが出てきますので、職場でもラキアグラスは必須アイテムです。

夏に訪問したOvcar Banjaのカフェでは特別に35年もののラキアも飲ませていただきました! 熟成ものも味わい深いです。

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また、ワインフェアやラキアフェアなど、年間様々な場所でイベントや試飲会も開催されています。

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残念ながら、実際にラキアの生産過程を目にしたことがまだないのですが、エリアごとによっても異なり、また、ベースの果物によっても様々な味わいがあるので、帰国前に見に行けたら良いな、とは思うのですが。

ぜひ、セルビアを訪問した際はみなさん、試飲してみてくださいね!お土産にも最適ですよ。

Vidimo se!

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