2023/01/16 Mon
文化
セルビア式クリスマスと新年
Ćao!
前回の記事でセルビア正教のクリスマスと新年はユリウス暦を使用していることから、私たち日本人の暦と異なることを紹介しましたが、今回はそのセルビア式のクリスマスと新年についてご紹介したいと思います。
セルビアのクリスマスは基本的に家族と過ごす日。
イースター、スラヴァ(今後詳しくご紹介しますが、セルビアならではの文化で各家の聖人を祝う日)と並び、クリスマス(セルビアでは Božićと呼びます)が1年で大事な3大祝日です。セルビアのクリスマスは1月7日。今でも独特の慣習が残っています。
前日の6日は「バドニ・ヴェチェ(Badnje vece)」と呼ばれ、昔から「バドニャク(Badnjak)」と呼ばれるナラの木の枝を取りにいき家に飾ります。また食卓にはトウモロコシ、小麦等の穀物やドライフルーツなどを。キャンドルもあります。子供のいる家では足元に干し草を敷き、お菓子を隠して探すというイベントも行うそうです。信仰の度合いや家庭にもよるようですが、イヴまで肉、卵、乳製品を摂取しない人もいます。
(お店の店頭などにも飾られています。ちょっと門松っぽい感じ)
都会や今では地方でも、スーパーや市場、街角などで数日前からBadnjakを販売する人々を見かけます。一家の幸せを祈り日没後に暖炉で燃やしますが、教会でもセレモニーを行っており教会で燃やす人も。(私は教会に足を運ぶのが遅くなってしまい夜10時頃に行ったのですがかすかに残り火と数家族がおりました)
残念ながらクリスマスは家族のお祝いであるので、お宅には訪問してはいないのですが、私のセルビア語の先生のお家の写真をいただいたのでご紹介を。
クリスマス当日のメニューは豚の丸焼きが定番だそう。丸焼きではなくとも、「ペチェニッツァ(pecenica)」と呼ばれる豚肉料理がテーブルに並びます。そして「チェスニッツァ(cesnica)」」と呼ばれるコインが入った特別なパンも欠かせない品。皆でそのパンを一斉にちぎり分かち合い、コインを得た人が幸せになれる、というもの。
そして、この日は”Hristos se rodi!(キリストが生まれた)” “Vaistinu se rodi!(本当にお生まれになった)” という言葉を友人や同僚などに送りあい、お祝いします。ありがたいことに、私も何人かの友人からメッセージをいただきました。
私の任地ズラティボールの教会では、クリスマスの日の真夜中、朝8時、夕方に儀式が行われ、私は18時からの夕方の会に参加させてもらいました。Božićの日は本当にスーパーや薬局も閉まってしまい、まるで日本のお正月のような閑散とした光景。静かな聖夜でした。
一方、セルビア正教の新年はクリスマスの翌週の1月14日。
市と観光局ではカウントダウンイベントとして今年はオーケストラの演奏と花火を行いました。年末年始のカウントダウンと同様に多くの人が街中の広場に集まり、寒空だけど美しい星とともにセルビア式新年を迎えたのでした!
しかしクリスマスも新年も2度楽しめるなんて!長くお祝いムードも続き明るい気分になりました!
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