2023/04/04 Tue
生活
セルビア語とキリル文字
Zdravo!
暖かく春めいてきたと思いきや、4月に入り今週は雪です笑。また冬に逆戻り。昨年もそういえば、4月に雪が降ったのを記憶しています。
さて今回はセルビア語についてお話したいと思います。
セルビア語はスラブ諸語に属する言葉で、ロシア語にも似ている部分があります。(ですが、意味は3割程度しかわからないようです。そして格変化が8種類のロシア語の方がもっと難しいと、セルビア人は言います)。
セルビア語・クロアチア語はもともとユーゴスラヴィアが崩壊するまでは様々な民族によってこの地域で話されていた言語ですが、各国独立後、クロアチア語、ボスニア語、モンテネグロ語など、現在ではそれぞれの新しい名称で呼ばれ独立した言語として認識されています。ですが、日本の方言程度に違う程度で、発音や一部の語彙は異なりますが、通訳不要でコミュニケーションが取れます。それ以外の旧ユーゴスラヴィア圏であった、スロベニアや北マケドニアも同様に非常に言語は近く、単語などから推測できる言葉も多くあります。
スペイン語、イタリア語、フランス語等のロマンス諸語系ルーツの言語のように動詞も人称・性別により全て活用変化があります。それにプラスして男性、女性、中性の3種類の名詞があり、名詞の格変化もあるのです。こちらがまたとても複雑で7種類(7格)あります。格変化と言ってもピンとこないかもしれないのですが、日本語でいう「てにをは」などの用途によって名詞も活用して語尾が変化していく、ということです。動詞もかわり、名詞もかわり、名詞にかかる形容詞までも変わっていきます。さらにそこに単数と複数形があるので、覚える数は2倍に。苦笑。
例えは、中性名詞・単数のselo(田舎/countryside)という単語も以下のように用途によって変わります。
Selo je malo i lepo. 田舎は小さく美しい。
Oni dolaze iz sela. 彼らは田舎から来た。
Setali smo selom. 私たちは田舎を歩いた。
Naucili smo o selu nesto novo. 私たちは田舎について新しいことを知った。
日本語の助詞によって変わると思うとわかりやすいですが、覚えることがたくさんなのと、不規則な活用もあるので一部注意が必要です。
セルビア語のもう一つの特徴としては、キリル文字とラテン文字を併用していること。カトリック圏であるクロアチアではラテン文字が中心ですが、東方正教会が主体のセルビアではキリル文字が中心であり、キリル文字の使用を推奨しています。
こちらの小学校ではまず1年時にキリル文字を習い、2年時にラテン文字を習うそうです。公式の文字や文書はキリル文字であるため、学校の教科書等もキリル文字を使っています。街中の看板などでもキリル文字とラテン文字の併用も多いです。(ちなみに英語は10歳から現在学習を始めています)
私は昨年の1月から派遣前の研修としてセルビア語を習いだし、ようやく1年3ヶ月が過ぎたところですが、今まで英語、スペイン語を学校で、フランス語、ギリシャ語を趣味で学習した経験がありますが、これまでの言語学習で一番難しいと感じています。
現在も継続し勉強しているセルビア語ですが、二人の素敵な先生に恵まれ、楽しんで学習しています。
職場は英語でもコミュニケーションは取れますが、ある一定の年齢以上の方は英語が話せないこと、また地域やステークホルダーの方ともセルビア語が話せれば、ぐっと距離が縮まるはず。
買い物や日常生活での最低限の表現は言えるようになりましたが、あと1年弱の間にもう少し、セルビア語でコミュニケーションがとれるようになれたらいいなと思っています。
今日はこの辺で! To je to! (That’s it!)
Cao!
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