JICA海外協力隊の世界日記

マンゴーの樹の下で

★ことぶき教室その2★

ベレン郊外にある高齢者施設、

厚生ホームで毎月行われている「ことぶき教室」

いろいろな分野から招かれた講師が、

入居者や地域の高齢者を対象に、

講話をしたりアクティビティをしたりします。

私が参加させていただくのはこれで2回目。

日本語教師として活動しているということで、

言葉にちなんだ内容にしたいと思い、

今回は「川柳」をテーマにしました。

と言っても、ただ川柳を作るのではなく、

少しアレンジしたものに挑戦していただきました。

まずはコレ。

1.バラバラになっている上の句と中の句と下の句をつなげて、

  一つの川柳にしてみましょう。

下の四つが完成されたもの。

実際に日本で作られた、

シルバー川柳とサラリーマン川柳から選んだものです。

「長寿者に 『秘訣は何か』と 医者が聞き」

「七十歳 オラの村では 青年部」

「中身より 字の大きさで 選ぶ本」

「祖母の知恵 教科書よりも 役に立ち」

次はコレ。

2.四角の言葉を考えてみましょう。

これもやはり、実際に日本で作られた作品。

四角の言葉を全部考えるのは難しいので、

ヒントとして一文字ずつ見せながら、

後の言葉を考えていただきました。

「宝くじ 『当たれば辞める』が 合言葉」

「胃カメラじゃ 決して見えない 腹黒さ

「『前向きで』 駐車場にも 励まされ」

「叱った子に 今は優しく 手を引かれ

「暑いので リモコン入れると テレビつく

「うす味を 愛だと知った 40年」

1も2も難しいようで、なかなか答は出てきませんでした。

それでも、みなさん熱心に考えてくださり、

解説をするたびに「あ〜」「そういうことか〜」と納得。

面白かったのは、最後の「うす味」でのある参加者の言葉。

「とても心温まる川柳ですね」と締めくくろうしているときに、

「経済的に苦しかったのかもね」とポツリ。

この現実的な一言でみなさん大笑いしました。

最後は全員で川柳作り。

3.上の句を書いていただき、

  全員分を集めてシャッフルして配付。

  中の句を書いていただいたら、

  また集めてシャッフルして配付。

  各句を違う人が書いて一つの川柳を作るというやり方です。

字数に合わせるのが大変なようでしたが、

指を折りながら言葉を考える姿は真剣そのもの。

できた川柳は、

アマゾンにちなんだもの、移民らしいもの、などいろいろ。

中にはギョッとするようなものもありました。

いくつかご紹介します。

「密林の アマゾンの中に 我生きる」

「ふるさとは 遠きにありて 我老いる」

「七十路 はじめて知った 子の気持ち」

「魚釣り 釣り上げる気持ち クビを釣り」

毎月恒例のことぶき教室を楽しみにしておられるみなさん。

今回の川柳作りは、この句で上手く終了しました。

「ことぶきは 忘れないぞと 合言葉」

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