JICA海外協力隊の世界日記

青年海外協力隊 セネガル滞在記 ~Pas à pas~

ミニ研修会

学校巡回の中で、情操教育についての実施状況調査を行い、アンケートや聞き取りを行った結果をまとめました。

調査を通して見えてきたことは、「情操教育の授業は週1回程度行わなければならないが、実施できていないこと」、「情操教育教科内の特定の分野しか行われていないこと」です。

これらの状況(問題)がどうして起こっているか仮説を立てて説明し、先生方にも考えてもらえるようにしました。

「道具が足りない」「フランス語と算数の授業で手いっぱいだ」「指導方法がわからない」などたくさんの先生方の意見を聞くことができました。

先生方の意見を聞くと同時に、この問題を解決するためにはどうしたらよいかみんなで一緒に考えていきたいということをお伝えしています。セネガルの先生方自身が問題意識をもって取り組んでいけるようにしていきたいです。

私自身、この問題を解決するためにはどうしたらいいか考え、休み時間の10分間を利用しての「ミニ研修会」を実施してみることにしました。

休み時間になると、先生方はよく木陰に集まってワイワイとお話をしたり、朝ごはんを食べたりしています。

その時間を少しだけお借りします。リラックスしながらで構わないので、耳と目だけこちらに向けてくださいとお伝えします。

「身近な素材・用具で授業が行えること」をテーマに、「これならできそうかな」「やってみようかな」と思ってもらえるような簡単な内容のものを紹介しています。

最近紹介させてもらっているのは、学校には必ずある「チョーク」を使ってのグラデーションの授業です(図工)。

セネガルの学習指導要領のこの部分の内容ですよ、ということを示しながら、実際にその場でやってみます。

学校にある葉っぱを使いながらデッサンをします。3~4色程使い、明るい色から濃い色へと順に塗り重ねていき、最後に手を使って色を混ぜます。やさしい色のグラデーションができあがります。

この間実施した学校では、メモを取っている先生がいたり、授業を実際に行ってみたいから一緒にやってほしいと言ってくれる先生がいたりして、とてもうれしかったです。

ミニ研修会の最後に2つ質問をします。

「このやり方は難しいですか、簡単ですか?」

「このやり方はたくさんの用具や材料が必要ですか、必要ではないですか?」

今のところどの先生も「簡単」「多くの材料が必要なくできるね」と話してくれています。

今後も、先生方が授業を実施する際の「はじめの一歩」が簡単に踏み出せるようなものを少しずつ紹介できればと思っています。

授業を実際にやってみたいと話してくれた先生が今のところ3人いらして一緒に授業を行いました。

果物のデッサンです。まずはよく観察して、1色ではないことを確認すること、塗り重ねるときは強く、色を伸ばすときはやさしく・・・

このやり方は、子どもたちの方がとても上手です。子どもたちは一生懸命塗り重ねるので、色がきれいに出ます。

始めは先生方と「一緒に」、今後は先生方が「自主的に」取り組んでくださることを目指します。

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