JICA海外協力隊の世界日記

青年海外協力隊 セネガル滞在記 ~Pas à pas~

活動の成果

何をもって活動の成果とするか。

これが正解だというものがない中で、結果を出していくということはとても難しいです。

私が考える活動の成果とは、

「提案した授業が継続して実施されていくこと」

「また、先生方自身が授業内容をさらに工夫して発展させていくこと」です。

休み時間を使っての授業提案、その後先生方との授業実施。

ここまでは、自分が先生方や子どもたちの様子を見たり意見を聞いたりしながら、どうだったか検証していくことができます。

でも、だいたいいつもここで終わりなのです。次回以降、先生方が実施してくれるかどうかは「インシャーラー(神のみぞ知る)」という雰囲気です。(この言葉はセネガでよく使われています)

1回行っただけでももちろん意味があるように思うのですが、結局続いていかないまま単発で終わって、何年も同じことの繰り返しをしているのではないか・・・と感じてしまうこともあります。

そこが活動の難しさではあると思うのですが、そのあたりを改善していくにはどうしたらいいかいつも考えあぐねています。

今できることを丁寧に実践しながら、これから先に続いていくようなフォローも考えなくてはなりません。

ただ、先日図工の授業を先生と一緒にやった時にはっとしたことがありました。

新しい学年になり、新しい教室になったということで、あまり明かりが入らない暗い教室を少しでも明るく見せようという先生からの要望で、クラスの飾り付けを一緒に行いました。

お題は、輪飾りです。

紙を折る、はさみを使って切る、糊で貼り合わせてつなげていく。手を使った基本的な活動が全て入っている内容です。

たかが「輪飾り」と思われるかもしれませんが、されど「輪飾り」なのです。

そして、教室にみんなで協力しながら飾っていきました。

私はその様子をみつめていました。

その後からです。先生や子どもたちが自由に紙とはさみを使っていろいろと工夫し出しました。

先生が、余った紙を使って、昨年一緒にやった切り絵をやり始めます。すると子どもたちもまねして作り出します。

私が、その切り絵の模様から想像してチョークを使って色を塗ってみると、先生も子どもたちも思い出したようにチョークでキレイな色が出るように一生懸命塗り重ねていました。

また、余った切れ端を使って貼り絵をする子も出てきました。おもしろい発想だなと見ていると、他の子もこれは、これはと言うようにいろんな形を作り出しています。

どんどん子どもたちの発想があふれてきて、教室中にそれが貼り付けられました。

子どもたちや先生の様子を見て、一度やったことがちゃんと残っているということが実感でき、また子どもたちが新しい発想でイメージをふくらませていく様子をみることができ、とてもうれしくなりました。

こういう風に続いていく様子を少しでも多く見られるように・・・

提案しただけで終わりになることもあります。がっかりすることも多いですが、その授業をやってみたいという先生からの言葉を私は待ちたいと思います。

子どももそうだと思うのです。何かを強制させられてやらされるのは、結局続いていかないと思っています。

自主的に「やってみよう」と思ったことは、きっと続いていく、そして自ら発展させていく力をもっているのではないかと私は考えます。

このように、継続したかかわりをもちながら、授業後の検証も行い、成果をみつめていきたいと思っています。

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