2016/02/22 Mon
活動
カフリン県教育フォーラム
先日、私の配属先であるIEF(カフリン県教育委員会)が主催するカフリン県教育フォーラムが開催されました。
「カフリン県において小学校低学年の児童の算数の成績改善のために地域共同体が関与できること」をテーマに協議がされました。
参加者は、県議員、CGE(学校運営委員会・・学校単位の住民参加による学校運営組織。村長または地区長、校長、教員代表、宗教指導者代表、学校用務員代表、保護者代表、文化スポーツ団体代表、女性グループ代表、児童代表で組織されている)、UCGE(CGE連合・・地域のCGEの連合組織)、教員組合、校長会などの代表の方たちです。
JICAのセネガル初等教育算数能力向上プロジェクト(PAAME)のナショナルスタッフの方々やIA(州教育委員会)の方々がサポートをしてくださりながら、フォーラムの準備が行われてきました。
フォーラムは3日間。1日目は準備会合、2日目はフォーラム本番、3日目はフォーラムで決議されたことを実行できるようにするための具体的な計画を立てていきます。
フォーラム当日、まずは教育委員会のフォーラム担当者が最近行われた低学年の児童への統一テストを行った結果を示しながら、児童の学力の現状などを報告していきます。
また、CGEやUCGEの機能状況や、昨年のフォーラムで決議された活動計画の実施状況などを発表していました。
その後、算数の補助自習教材として、ドリルを活用した事例を紹介し、児童の学力に変化が見られた結果などを伝えていました。
(PAAMEの前身プロジェクトであるPAES2・・教育環境改善プロジェクトが試験的に進めてきたCGEにおける算数ドリルの活用がPAAMEにも引き継がれる予定になっています。)
事例を紹介しつつ、地域共同体で何ができるかを考えていけるような流れになっていました。
教育委員会のフォーラム担当者からの説明の後は、地区ごとに集まって、低学年の児童の成績改善に向けた具体的な取り組みが話し合われました。IAやIEFの人たちがファシリテーターとなって、話し合いがスムーズに行くように進めていきます。
そこでは、教員研修を開く、算数協議会を開く、算数ドリルの印刷代を負担するなどが地区ごとに決議されていました。
3日目は、具体的な計画書を作成し、地区の代表者が自分たちの地区に帰って実行できるように話し合いがなされました。
実際に地区の会合でどのように行うかシミュレーションなども行います。セネガルではよく行われるやり方のようで、実際にあいさつなどから始めるなどしていて、とてもおもしろいです。
フランス語がわからない方も多いので、話し合いは全てウォロフ語で行われます。
ということで、なかなか細かい内容まではわからなかったのですが、(フランス語で行われても難しいですが・・)今こんなことが話し合われているということをプロジェクトの方が時折補足説明をしてくださるので大変ありがたかったです。
セネガルの教育現場で、授業見学をさせていただく中で、わかる子だけに焦点が当てられている授業、わからない子は置いてけぼりになっている状況を多く見かけました。
また、小学校卒業試験のことに目が行きがちで、基本的なところができていないまま、試験のための授業が行われているような印象も受けました。
なので、今回低学年の児童、そしてその中でも特に授業についていけない子へ目が向くようにフォーラムで仕掛けられたのは、現場の実態に即した素晴らしいことだと思っています。
実際にどういった活動ができるかは、まだまだ難しいところではあると思うのですが、小さな変化を大切にできたらいいと思っています。
私も、今年度は算数の授業提案(特に低学年に向けてあそびを取り入れた授業)を主にを行ってきました。取り組みの一案となればうれしいです。
地域の教育を良くしていこうと熱心に考えている人たちがたくさんいます。
私もその一員となって一緒に考えていきたいです。
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