JICA海外協力隊の世界日記

青年海外協力隊 セネガル滞在記 ~Pas à pas~

村の校長先生との出会い

ある村の校長先生から「情操教育を教えてほしい」という依頼を受け、学校を訪ねていきました。

ちょっと自分のうちからは遠いのですが、途中までヒッチハイクをして、馬車を乗り継ぎ、最後には、村の巡回診療へ向かうお医者さんたちが乗る車に偶然乗せてもらい、3時間くらいかかってしまいましたが・・なんとかたどり着きました。

校長先生の名前しか聞いてなかったので、村の人たちに学校の場所と先生の名前を聞くと、中学校を案内されました。依頼をしてくれたのは、中学校の校長先生でした。とてもきれいな学校でびっくりしました。今までたくさんの巡回訪問をしてきましたが、なかなかこんなにきれいにしている学校はありません。校長先生がいろいろと力を尽くされている様子が伝わってきました。

校長先生は、「よく来たね」とねぎらって下さり、依頼の経緯を話してくれました。情操教育を教える先生がいない、誰かいないか教育委員会に尋ねたら、視学官から私を紹介してもらったとのことです。

そしてよく聞くと、デッサンを教えてほしいとのこと。小学校の図工ならと思っていたけれど・・少し不安もありましたが、先生の熱意におされ、がんばってみるとお返事してしまいました。

それから、先生は学校案内をしてくれました。各クラスをまわって先生方や生徒に私のことを丁寧に説明してくださいました。「受け取るだけじゃだめだ。お互いに助け合わないと。言葉がわからないときは教えてあげて。一緒に学び合おう。」と生徒たちに熱心に語ってくれていて、胸が熱くなりました。

今日は、見学のみ。その後、村役場の方が小学校や幼稚園を案内してくれました。

お昼ごはんは、校長先生のお宅でごちそうになりました。

セネガルのおもてなし「テランガ」

いつもありがたいです。

お昼ごはんを食べた後、校長先生といろいろなお話をしました。

まず一つは、「セネガルの問題」

先ほども少し触れたのですが、この校長先生は「子どもたち、学校のために必要と思ったことはしっかりと要望を出していく」と話していました。

何かしてもらうのを待っているだけ、何もしてくれないと嘆いているだけではいけない、しっかりとアクションを起こしていくのが大切だとおっしゃっていました。

現に、アメリカ大使館に直接要望書を書いて送るなど、いろんな行動をされているようでした。学校に電気がない、子どもたちの勉強道具がない、となった時に、どうすればいいか、様々なことを考えて、いろいろなところに働きかけて行動を起こされている先生にすごく刺激を受けました。

そしてもう一つ、「女子早期結婚の問題」

この中学校は約300人の生徒がいるのですが、男子は約200人、女子は約100人と女子の割合が半分なのです。

始めは気づかなかったのですが、先生とお話していく中でわかってきました。

セネガルでは、小学校修了時に試験があります。カフリン県の前年度の合格率は30%程。なかなか厳しい状況です。(試験はあるのですが、合格せず1年間の学業成績評価が平均未満であっても中学校に空席があれば入学はできます)

全ての子が中学校へ進学できないという状況の中、頑張って学んでいるにもかかわらず、途中でやめてしまう女子が多いのです。

それが、早期婚の問題です。

もう既に何人もの生徒がやめてしまっているんだ・・と先生は悲しそうに話していました。

女の子は、食事の準備を、子どもの世話を、と家のことをさせられてしまうことが多いようです。

家庭学習の少なさにも話はおよんだのですが、勉強したいと思っている人が勉強できるように、大人になってからも、子どもを産んでからも勉強できるように・・

私の姿を見せるだけでも、子どもたちにとっては励みになるのだと話してくださいました。

大人になってからも、学び続けていること、仕事をしている姿を子どもたちに見せてほしいと。

また素敵な出会いができたことに感謝です。

もっともっといろいろなお話を聞いてみたい、たくさんのことを感じ、一緒に考えたいと思いました。

先生の熱意に押されて、引き受けたデッサンの授業。絵が下手な私。私にできるのか、不安はたくさんあるのですが・・精一杯やれるように頑張りたいです。

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