JICA海外協力隊の世界日記

青年海外協力隊 セネガル滞在記 ~Pas à pas~

フランコアラブ学校

セネガルには「フランコアラブ」という学校があります。

普通の公立の学校では、フランス語の授業を中心に、週2回程度イスラム教のコーラン(聖典)を学ぶアラビア語の授業があります。

フランコアラブ学校はカリキュラムの半分がアラビア語の授業になっています。公立も私立の学校もあります。

2月~3月にかけて、大学の博士論文で「フランコアラブ学校」について研究をされている方が日本からお見えになり、私も調査に何回か同行させていただきました。

夏にも一度お会いしており、今回また再会できてとてもうれしかったです。

フランコアラブに通っている子ども、通わせている保護者、そこで教えている先生がフランコアラブ学校をどう認識しているかについて調査されているようです。

セネガルには、「ダーラ」と呼ばれる公教育の枠に入らない学校も多数あります。そこでは、主にコーランやイスラム教の礼儀やお祈り作法などを学んでいるようです。

セネガルは国民の約9割がムスリム(イスラム教徒)です。一部の保護者はフランス文化の影響を危ぶみ、公立のフランス語学校ではなく、「ダーラ」や「フランコアラブ」などに通わせることがあるそうです。

セネガルの教育省は、就学率の改善のために一部のイスラム教育機関を公的機関として認可したり、公立のフランコアラブ学校を建設したりするようになりました。

今回は、私立のフランコアラブ学校の調査に同行させていただきました。

コーランの授業

藁ぶき屋根の教室です。(コンクリート壁の教室もあります)机はありません。CM2(日本の小学6年生)クラスの教室には、年相応と見える子も何人かいましたが、ほとんどが10代中頃か後半の生徒が多いように見えました。

中には子どもを連れた生徒さんも数人いました。友達同士で抱っこしながら、先生が黒板に書いたコーランをノートに書き写してしていました。こういう寛容さがセネガルの素敵なところだなあと感じています。

ノートに書き写した後に、暗唱の練習を個人でしていました。その後、先生は生徒たちをあててみんなの前で読ませていました。

それから先生はコーランの意味をアラビア語とウォロフ語で説明していました。

授業の後半は生徒たちの質問コーナー。聞きたいことを自由に聞いている様子でした。

(アラビア語、ウォロフ語ともにほとんどわからないので内容まではわからなかったです)

授業を見て感じたことは、授業中生徒がとても真剣で、学ぶことが楽しいと感じている様子が伝わってきました。みんな学びたいからここにいるのだなあという印象です。また、先生と生徒の関係もとても良く、対等な雰囲気がありました。

普段見ている学校とはまた違った雰囲気の学校を見ることができ、私自身とても勉強になりました。

セネガルの人たちにとってコーランを学ぶということはとても自然なことなのではないかと感じています。とても身近な存在で、生活の一部なのだと思います。

「学ぶ」ということの意味を改めて考えさせられました。

ここの校長先生や先生方はとても優しく、熱心で素敵な方ばかりでした。また機会があれば訪問させていただきたいと思っています。

今回は調査に同行させていただくという貴重な機会をいただき本当にうれしかったです。お子さんがいらっしゃる中での研究、大変なことだと思うのですが、学ぶ姿勢にとても感銘を受けました。論文の完成が楽しみです。

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