2020/02/18 Tue
活動
【3】Maguana al Medio(マグアナ・アル・メディオ)地域の栄養状態は・・?
こんにちは。栄養士隊員の佐々木奈緒です。前回は、訪問調査について書きました。今日は、その一部の結果と報告会について紹介します。
【調査の概要】
調査時期:2019年10月〜11月の2ヶ月間
対象者:Maguana al Medio(マグアナ・アル・メディオ)地区120世帯(女性と子ども)
調査方法:成人女性に聞き取り調査
調査内容:身長・体重測定、基本情報、授乳期間、子宮頸がん検診の有無、食生活、生活環境、保健に関する知識など
【調査の結果】
協力世帯数:114世帯
調査に協力していただけなかった世帯は、首都などに滞在中ということで会えず、直接調査を断られることはありませんでした。これには驚きました・・。外国人がいきなり訪問しに行ったら不審がられるのではないかとドキドキしていましたが、皆さん口を揃えて「座って」と言って椅子を持ってきてくれました(素敵だなぁ・・♪)
栄養状態について:
成人女性の肥満者の割合が高いこと(2人に1人がやや肥満もしくは肥満)、5歳未満児に低体重児と過体重児が多いことがわかりました。
◾️成人女性(115名、平均年齢 45.1歳):痩せ6.2%、標準32.8%、やや肥満29.7%、肥満31.3%
※痩せ BMI<18.5 kg/m2、標準 18.5≦BMI<25.0、やや肥満 25.0≦BMI<30.0、肥満 30.0≦BMI
◾️5歳未満児 (44名):低体重 11.4%、過体重 13.6%
また、私の配属先に通う幼児に低栄養児が多いことがわかりました。
これらの要因を同僚と話し合いました。成人女性の肥満の原因としては、炭水化物と脂質の摂取が多いこと。野菜を食べずに主食でお腹を満たすこと。乳幼児の低栄養・過体重の原因としては、経済的な理由や食事の質が悪いこと(朝食はスナック菓子で済ますなど)などが考えられます。
食生活について:
野菜の摂取量が少ないこと、昼食の内容がどの家庭も同じであることがわかりました。
◾️野菜の摂取頻度(108名):週の平均 3.6日
毎日野菜を食べていない人に詳しく話を聞くと、野菜を手に入れるのが難しい。野菜が好きじゃない。という理由が多かったです。ここの地域は野菜の購入が難しく、私自身もここに来てから毎日十分に食べることができていません。
◾️食事の内容について
とても興味深いことに、全世帯が昼食にアビチュエラ(豆)を多くの頻度、食べていることがわかりました(写真参照)。アビチュエラは、ドミニカ共和国を代表する家庭料理です。豆、肉(赤色)、米(白)、野菜(青色)からなることからLa Bandera Dominicana(ドミニカの旗)といわれています。私も毎日のように食べていますが、飽きません!笑
◾️写真左:親子の体重測定をしているところ
◾️写真右:基本的な昼食。アビチュエラ(豆)、アボカドや野菜、魚や肉、ご飯
今後は、昼食を切り口に食生活の質の向上を目指して、5歳未満児と母親へアプローチをしていきたいと思います。改めて、調査に協力していただいた皆さんと女性グループの皆さんに感謝です。スペイン語をもっと勉強して、もっと色んな話を聞きたいと思いました。
そして、調査のお礼と結果報告を幼児施設のクリスマス会で。
クリスマス会では、踊ったり、歌ったり。子どもたちは本当に可愛いです!
保護者には、個別に成長曲線を用いて、幼児の成長状態の説明とアドバイスを行いました。みなさんとても興味を持っている様子だったので、定期的に伝えていきたいと思います。
また、手作りのおやつとジュースを提供しました。野菜は子どもたちにイマイチだったので、今後工夫していきたいです・・!
◾️写真左:地域の栄養状態についての結果を伝えています
◾️写真右:おやつを食べているところ。やっぱりケーキが一番人気!
これから野菜が人気者になりますように!
今日もここまで読んでいただきありがとうございました。
Hasta luego.(アスタ ルエゴ,スペイン語で「またね」)
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