JICA海外協力隊の世界日記

La vida en Honduras

デング熱大流行

 こんにちは!今回は、現在ホンジュラスで大流行となってしまっているデング熱についてお伝えします。

ホンジュラスでは6月の雨季が始まった頃から、全国的に蚊が大量発生しデング熱感染者が増え続け幼児含む多数の死者も出ているため保健省は、今年7月に緊急事態宣言を発令しました。(参照:AFP通信 2019年7月4日)

 これを受け、配属先であるグラシアス市保健所も毎月、デング熱対策のための活動を行っています。上の写真は、成熟した蚊を殺虫するための薬剤をグラシアス市街に散布している様子です。現在は、毎週散布するエリアを変えながら蚊の駆除が行われています。水辺に卵を産み、ボウフラから成虫へと成長する蚊。まずはこの蚊の発生源となる水辺をなくすことが第一ですが、川や土壌などが豊富にある自然環境とホンジュラスの生活習慣などの面から簡単に排除することができない状況となっています。

 上の写真はホンジュラスの各家庭に必ずと言っていいほどある洗濯貯水槽です。水事情が不安定なホンジュラスではこの貯水槽に常に水を貯めて洗濯や、トイレなどの生活用水として使用しています。貯水槽にはふたなどもなく常に雨風にさらされていることから、衛生環境も悪く蚊の幼虫であるボウフラも多く確認されています。成虫駆除と並行して、ボウフラを発生させないための貯水槽への薬剤散布も保健推進員が中心となって毎月、各家庭を回りながら行っています。

 蚊の駆除に向けた直接的な対策だけではなく、地域住民のデング熱に対する予防啓発活動も各コミュニティで行われています。蚊はどこから発生するのか、デング熱に感染したらどのような症状が出るのか、自分たちでできる予防は何かなどをポイントに保健推進員が各学校・保健所にて啓発活動を行っています。

 蚊の発生源である水辺は川や土壌などの自然面だけでなく各家庭にある貯水槽、そして町のあちこちに散乱しているポイ捨てゴミも原因の一つです。飲みかけの缶やペットボトル、ポイ捨てされたビニール袋や菓子袋に雨水がたまり蚊が卵を産める環境を作ってしまっているのが現状です。感染してしまった時の正しい理解と日頃からできる虫対策をあらゆる世代にいかに伝えられるかが課題となっています。

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