JICA海外協力隊の世界日記

La vida en Honduras

ホンジュラス隊員紹介③助産師隊員

 ホンジュラス隊員紹介第3弾!今回は、同じレンピーラ県の南部に位置するエランディケという地域で助産師として活動されていた天野早智さんをインタビューしました。

【①青年海外協力隊に応募した理由を教えてください。】

 マザーテレサや紛争地域での医療支援に憧れて看護と助産を学びました。早く海外に出たかったのですが、知れば知るほど命の現場の厳しさに打ちのめされ、半ば諦めていました。

 病院勤務の中で、本来は格別に幸せな経験であってほしい妊娠・出産・育児が必ずしもそう受け止められていないこと、またそれが複雑に絡み合ったやむを得ない理由によるものであることを知り、妊娠する前・させる前に得るべき知識の大切さを強く感じるようになりました。そうした分野での経験を海外で積みたいと思い、「助産師」「思春期教育」というキーワードで希望をして辿り着いたのが中米ホンジュラスでした。

【②ホンジュラスでの主な活動内容を教えてください。】

 配属先であるエランディケ市保健所では、医師・看護師・保健推進員から成るチームが一般診療の合間を縫ってコミュニティに出向いています。どの道も未舗装で、車を降りてさらに細く不安定な道をワクチンを入れたクーラーボックスや針などを抱えて2~3時間かけて歩くということが日常業務の一つです。標高1,000m前後のため日射しは痛く、雨期の半年間は毎日豪雨のため出発は朝6時、連日の雨で道がぬかるんで立ち往生してしまい、予定していた訪問ができないこともありました。

 訪問地域では、主に中高生を対象に清潔概念や第二次性徴、人生設計、避妊方法、人権・暴力問題などの講義を行いました。他にも、保健所での妊婦向け産前教室や母子手帳の運用・追跡データ収集についての話し合い、注射や内診等をテーマにした同僚への技術研修会を実施しました。

【③日々の活動を通じて得られるやりがいは何ですか?】

 日々一緒に活動している保健推進員から、あなたのやり方を取り入れたいと言われたり、医師の講義を企画する回数が増えたことなどは嬉しい反応でした。宗教や慣習による考え方の違いでうまくいかない時もありましたが、それでも譲れない最終目標に向かってありとあらゆるアプローチ方法を考えて試し続けることを学べたことは大きな収穫だったと言えます。

 また、2年という短くない期間、何度もモチベーションを復活させてくれたのは、現地の子ども達の姿だったと今では思います。日本で見ていた親子(母子)とホンジュラスの母子、産まれたところが違うだけでこれほどの差があっていいのか、と思い悩むこともたくさんありましたが、それでもとにかく目の前の人たちのためにできることをやっていくしかない、と前向きにさせてくれたのはそんな可愛く微笑ましい子ども達の姿だったのだと思います。

【④ボランティア活動を終えた帰国後の進路を教えてください。】

 この2年間で妊娠する前・させる前の教育により一層興味を持ちました。日本の思春期教育について考えを深めたいと思っています。

【⑤青年海外協力隊を目指す人にアドバイスをお願いします。】

 応募前は協力隊とは崇高な意識の持ち主のためのものだと思っていました。あなたはどのようにお考えですか。実際はどうなのか確かめるためにも、あまり気負わずにまずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。学べることや得られることは数えきれないほどだと思います。それをどう活かすか、なのかもしれません。

 また、世界中に散らばる同期隊員や任国で出会う先輩・後輩隊員との出会いも魅力の一つです。もちろん、それ以外の様々な背景の人たちとの出会いも面白く、職業や年齢などを超えた関係は自分の視野を広げてくれます。やって後悔することは実はほとんどありません。有意義な時間を安全にお過ごしください。

天野さん、ありがとうございました!次回のホンジュラス隊員紹介もお楽しみに!

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